大崎市田尻地域の地場産品を詰め合わせた「田尻ふるさと便」の出発式が20日、新みやぎ農協田尻営農センターで行われた。生産者らは古里の味が全国各地に届けられることを期待しながら、日本郵便の配送トラックを見送った。田尻ふるさと便は、旧田尻町が1987(昭和62)年、首都圏に住む田尻出身者でつくる「在京田尻会」へ向けて発送したのが始まり。99年にたじり穂波公社が引き継ぎ、今回で38回目。ことしは田尻産新米をはじめ、手作りハムや餅、菓子、漬物などを詰め合わせた5000円~1万円(消費税、送料込み)の3コースを準備。10月1日から今月初旬まで郵便局で受け付けしたところ、合わせて125件の申し込みがあった。
 年末年始特別警戒期間(1日~来年1月7日)に合わせた「安全・安心まちづくり合同キャンペーン」が19日夜、大崎市古川中心部で行われた。昨年は大雪に見舞われ中止となったため、実施は2年ぶり。伊藤康志市長をはじめ、市、警察、民間関連団体の関係者が繁華街を巡回し、防犯や飲酒運転根絶、暴力団追放などを訴えた。安全安心な地域社会の実現を目指し、市と古川署が毎年実施している取り組み。3日に市民会館で開いた「大崎市安全・安心まちづくり大会」に基づくもので、市内の防犯や交通安全に関わる団体から70人ほどが参加した。

 県は、県が管理する河川や道路の除草、清掃を担うボランティア団体を「スマイルサポーター」に認定し、活動を支援している。県北部土木事務所は18日、管内で6年以上にわたり活動している3団体に村井嘉浩知事名の感謝状を贈り、継続的な活動をたたえた。認定制度は、住民参加型のまちづくりを進めようと2001年に始まった。県は▽活動に関する傷害保険への加入▽必要な物品の支給▽団体名が記された表示板の設置▽除草機械の無料貸し出し-などを支援している。今回、感謝状を贈ったのは、スマイルリバーサポーターのプラスチック加工等「東北小籏」(大崎市古川米袋)と土木建築等「仙建工業」(仙台市青葉区)、住宅建設等「櫻井建設」(大崎市田尻大貫)と、スマイルロードサポーターの食品製造「グリコマニュファクチャリングジャパン仙台工場」(加美町菜切谷)。
 大崎市の文化財に新たに指定された「荒川堰絵図及び絵図箱」が14、15の両日、市民ギャラリー・緒絶の館で一般公開され、多くの市民らが見学した。絵図に描かれた荒川堰は江戸時代初期、新田開発のため仙台藩の役人が設計し建設。志田、黒川、加美3郡の入会用水で、水路は平堀約34㍍。18カ所の樋口から配水し、3郡12村の田畑を潤していた。絵図は、荒川堰が設置された約200年後の1858(安政5)年、当時の村長や農業用施設などに関わっていた人が責任者として携わり作成。大きさは幅約50㌢、長さ約18㍍にも及ぶ。一般公開では各日2回、市文化財課職員が原寸大のレプリカをもとに解読した内容を説明。川筋に沿いながら細密に描かれた山や沢、道路、橋、寺社などの配置や名称、地図にある場所と現在地を比較するなどして解説。市民らは熱心に聞き入り、メモをとったり質問したりしていた。

 JR小牛田駅の駅弁として親しまれた「とりめし」が14、15の両日、美里町総合案内所で、約四半世紀ぶりに一般向けに販売された。懐かしの味を求めて町内外の人が買い求めた。来月からは毎月販売される予定。とりめしは、同駅近くの旧小牛田ホテルで1998年まで製造、販売されていたが、2015年の廃業とともに幻となっていた。ことし6月に町地域おこし協力隊に着任した久田大貴さん(49)が元従業員や小牛田農林高の生徒と共にレシピをほぼ再現。反響が大きく、一般販売することにした。3日の予約受け付け開始から1時間で申し込みが相次いだこともあり、当初の1・5倍の150食余りが用意された。町内のほか、大崎市松山や石巻市、仙台市など同駅を経由する東北本線や石巻線をかつて利用していたとみられる60~70歳代が買い求めていた。登米市南方町の門脇洋行さん(77)は「旧小牛田町に通勤する際によく食べていた。懐かしい味に浸りたい」と笑顔を見せた。
 大崎市の姉妹都市、愛媛県宇和島市の特産品が並ぶ「えひめ宇和島みかんフェア」が、岩出山の「あ・ら・伊達な道の駅」で開かれている。7回目となることしは輸送手段が陸送から空輸に変わり、収穫したばかりの新鮮なミカン約12㌧が店頭に並んだ。訪れた観光客らは箱入りの温州ミカンを次々と購入していた。22日まで。ことしのミカンは、隔年で収穫量が少なくなる「裏年」に猛暑やカメムシの大量発生、イノシシによる食害などが重なったことで生産量が減り、価格が高騰。しかし、同道の駅では早期の発注に加え、生産者の努力で「産地でも買えない低価格での販売が実現した」(関係者)。初日の14日はミカン農家「山内ファーム」による対面販売を行い、宇和島市の岡原文彰市長も陣頭に立ってセールス。試食した人たちは「味が濃くておいしい」「とても甘い」と、購入する列に並んでいた。

 大崎市鳴子温泉鬼首のオニコウベスキー場が13日、オープンした。昨期は「過去最悪の雪不足」(関係者)に悩まされたが、今期は週明けからの降雪で、2年ぶりに初日から滑走可能になった。初日はシーズン中の無事故、無災害を祈る安全祈願祭が現地で行われ、関係者たちがスキーヤーらの安全を願った。コースが広がる鍋倉山と小柴山両山頂の積雪量は、この日までに70㌢に達した。当初は最も標高が高い「フォレストロード」のみの予定だったが、前日にまとまった雪が降ったため、麓の2コースもオープン。残りのコースも整備が終わり次第、順次オープンするという。ゲレンデには待ちわびた多くのスキーヤーやスノーボーダーが集まり、豪快に雪を巻き上げながら新雪にシュプールを描いていた。
 チェコのブリキのおもちゃや華麗な衣装を着た人形、きらきらしたガラスビーズなどが並ぶ「チェコのクリスマスとチェコウイーク」が加美町南町のギャラリー「工藝藍學舎」で開かれている。19日まで。東北を拠点に活躍する優れた作家の作品を展示販売している同ギャラリーは、「暮らしの中に溶け込む用の美」「居ずまいのある暮らし」を提案している。今回の企画は、もの作りの国として知られるチェコ共和国、チェコセンター東京の協力の下、1年かけて準備を進め実現した。施設2階の会場では絵本をはじめ、素朴で温かみのある藍染め作品、鉄道模型、木製の人形、アクセサリー、Tシャツ、トートバッグ、石鹸など、チェコの魅力の一端に触れられる商品を展示販売している。

 藩政時代開削の荒川堰用水路(色麻町、大衡村、大崎市)を描いた「荒川堰絵図」と絵図箱が、大崎市の指定文化財に加わった。市教育委員会は「仙台藩の新田開発の実態を示す資料。類例がなく大変貴重」として14、15日の2日間、市民ギャラリー緒絶の館(同市古川)で一般公開する。絵図は1858年制作。鳴瀬川右岸、現3市町にまたがる丘陵地を潤す総延長33㌔にも及ぶ長大な流路が幅50㌢、長さ18㍍の長巻物に。今もほぼ変わらない川筋をはじめ、計12カ所ある潜穴と隧道、田畑への配水口とため池、寺社を含む集落などが詳細に記され、市文化財保護委員の佐藤憲一さんは「藩が開削(1649年)から約200年経た荒川堰の現状把握と、度重なる飢饉を踏まえ用水路管理のため描かせたもの」と分析する。
 世界農業遺産に認定されている「大崎耕土」の伝統的水管理システムについて学び、支援する取り組みを続けている南郷高は7日、一般を対象にバスツアーを主催した。大崎市鳴子温泉地域を巡り、システム持続に向けてできることを共に考えた。大崎耕土の下流にある同校は、2020年から水路清掃や特産品栽培など耕土の維持に向けた取り組みを進めている。ツアーは、これまでの学びを共有しようと企画した。参加したのは大崎地方や仙台市の14人のほか、同校1~3年生14人。1640年代に手掘りで造られた「南原穴堰」(総延長1880㍍。うちトンネル部分1330㍍)の水路清掃や、鬼首地区の伝統野菜「鬼首菜」の収穫を体験した。

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