中学生も防災の一翼に
大崎市鳴子中と鳴子温泉川渡地区の合同防災訓練が11月29日、同校体育館で開かれた。人口減少と高齢化が進む地域で、中学生も防災体制の一翼を担おうという取り組み。コロナ禍の影響で4年ぶりとなった訓練では、応急救護や負傷者搬送などを実践した。合同訓練を始めたのは10年余り前。指定避難所となっている同校を会場に、地域と学校、関係機関の連携を強めて災害時の対応力を高めようと、コロナ禍前まで毎年この時期に行ってきた。この日は、午後に県内陸北部を震源とするマグニチュード7・5の地震が発生し、鳴子温泉地域で震度6強を観測したという想定。地震発生後、生徒、教職員、地区住民は同校体育館に避難。その後、水消火器を使って消火したり、竹と毛布で応急担架を作って負傷者を搬送したりする五つの訓練を体験した。このうち応急救護訓練では、生徒と住民が負傷者役と救護者役を交代しながら、腕や足の骨折箇所を添え木などで固定、保護する方法を学んだ。
レリーフと竹製トンボ
竹やケヤキで作ったトンボとレリーフの展示会が涌谷町くがね創庫で開かれている。8日まで。出展者は同町字田町裏の古橋三治さん(76)。さいたま市出身で、独学で彫刻を学び、神社、寺院向けにケヤキのレリーフを作っていた。石巻市の義父母の介護のため2018年に同町に移住。神経系の病気の影響で彫刻が難しくなり、リハビリを兼ね自宅のアトリエでトンボを制作している。トンボは長さ10㌢余りで、長さ8㌢ほどの竹串の上に口先を乗せると、弥次郎兵衛のようにバランスを保つ。売り上げのうち材料費を除く全額を復興支援として石巻市に毎年寄せ、21年からは難病に苦しむ涌谷町の子どもたちのために町へ寄付している。
介護・福祉の人材確保へ
介護職などへの就職を目指している人を対象にした面談会(古川公共職業安定所など主催)が11月20日、大崎市図書館で開かれた。新型コロナウイルスの5類移行から半年が過ぎ、コロナ前の事業活動に戻りつつある現状を踏まえ、福祉事業者が人材確保に向けて自社の魅力をアピールした。介護従事者に感謝する「介護の日」(11月11日)に合わせた取り組み。大崎地方に拠点を置く9事業者がブースを並べた。求職者や就職活動中の大学生ら32人が参加。興味のあるブースを回って就労条件などを尋ねていた。
キッズフェス大盛況
「第7回キッズフェスティバル鹿島台」(大崎市鹿島台子ども会育成連合会主催)が11月25日、鎌田記念ホールで開かれた。約20種類の遊びが行われ、300人余りの子どもたちや保護者が楽しんだ。3世代交流などを目的とした人気企画だが、台風やコロナ禍などで中止が続き、5年ぶりに開催。会場では、こま回し、けん玉といった昔遊びやお化け屋敷、ボッチャ、ストラックアウト、紙相撲などを実施。品井沼干拓に力を注いだ政治家、鎌田三之助の展示室も無料開放された。
「辰」の作品制作
古布や廃材から干支にちなんだ作品を作る体験教室が11月14日と25日、大崎市古川リサイクルデザイン展示館で開かれた。受講者は来年の干支「辰」にちなんだ額絵や置物を手掛け、運気上昇に期待を込めた。14日は同館で活動する古川リサイクルデザイン工房友の会手芸研究室の会員が、市民から提供された古い着物などを使った額絵作りを指導。受講した7人は見本を参考にしながら縦約14㌢、横約30㌢の布地に4匹のタツノオトシゴを縫い付け、口やしっぽを刺しゅう。気泡に見立てたビーズも縫い付けた。
すし職人がにぎり実演
大崎市社会福祉協議会が運営する古川西部デイサービスセンターで11月21、22の両日、すし職人によるにぎりずしの実演が行われ、施設利用者約60人が舌鼓を打った。同センターは年に1回、すし職人を招いて会食を行っていた。コロナ禍で中止していたが、今回「お楽しみ企画第1弾」と銘打って再開した。職人は、病院や福祉・保育施設などに食を提供している「日清医療食品」(本社・東京都)の社員。会場には大漁旗やのぼり、カウンターに仕立てた長机を設置し、すし店を再現。職人は軽妙なトークで利用者たちを楽しませながら、手際よく次々とすしをにぎっていった。
デジタル空間で村人募集
くりはらツーリズムネットワークは、栗原市ならではの長屋門を宿に改修するため、次世代型クラウドファンディング「フィナンシェ」で資金の募集を始めた。デジタル空間で〝村人〟となる仲間を集め、支援額に応じて宿の立ち上げに参画してもらう。県内の農山漁村の交流拡大を目指す民間団体「MIYAGIふるさと共創組合」の新プロジェクト「MIYAGIふるさとクエスト」の一環。1口3000~10万円で5種類の寄付を募り、5000円以上の支援者には、仲間の証である「村人NFT」のアバターとデジタルアイテム「トークン」を発行する。