漆の奥深い魅力伝える
「japan/漆の表現展」が6日から、大崎市民ギャラリー・緒絶の館で開かれている。市を代表する工芸の一つ「鳴子漆器」はじめ、古民具、最新技術を用いた漆作品などが並び、漆の奥深い魅力を伝えている。17日まで。同ギャラリーの自主企画展。螺鈿の細工が施された昭和30年代の嫁鞍や角樽といった古民具、多彩な作家が制作した椀や箸、酒器、丸盆といった日用品など約120点を展示した。このうち、鳴子温泉神社の宝物「猩々の大盃」は、直径1・2メートル、高さ25センチの杯。墨流しのような模様「龍文塗」を考案した旧鳴子町出身の沢口悟一さん(1882~1962年)が8年かけて制作したもので、黒塗りの中に、能の演目「猩々」の一場面が描かれている。1908(明治41)年に完成したものだが、色あせない漆の美と迫力がひときわ目を引いている。
「長所伸ばし挑戦を」
大崎市松山中で11月29日、栗原市出身の書道家、二階堂勇悦さん(65)を講師に生き方を学ぶ学習会が開かれ、二階堂さんは「自分の長所を伸ばし、好きなことに挑戦してほしい」と生徒を励ました。学習会は、県教育委員会の指定を受け大崎市教育委員会が市内各校で推進している「志教育」で行われた。学習会は体育館を会場に行われ、全校生徒が見守る中、二階堂さんが縦3メートル、横4メートルの紙に「見せてやれ 松山中生 何苦咀」と墨書。退職後、好きだった書の道に進もうと3年間修行したことなど自らの歩みを紹介し、「年齢に関係なく、人生いつでも挑戦はできる」とアドバイス。「何苦咀(なにくそ)は、どんな苦しいことがあっても、奥歯をかみ締めるという意味で、自分の座右の銘。感謝の気持ちを忘れず、努力してほしい」と語った。
フランク永井歌コンクール
〝魅惑の低音ボイス〟で人気を博した大崎市松山出身の昭和歌謡歌手、フランク永井さん(1932~2008年)の名曲を歌い継ぐ「第12回歌コンクール」(実行委主催)が来年3月16、17の両日、市松山体育館で4年ぶりに開かれる。出場者を募集している。募集定員は100組。応募は12月28日(必着)までだが、定員になり次第締め切る。審査は、予選会で曲の2番までを歌唱。上位30組が決勝大会に進出し、予選会と同じ曲を2番まで歌い、入賞者を決定する。問い合わせは実行委事務局へ。電話090(1492)0438、ファクス0229(25)4774。
飲酒運転根絶を訴え
飲酒運転根絶に向けたキャンペーンが、1日を中心に大崎地方などで一斉に行われた。忘年会などで酒を飲む機会が増えるのを控え、関係者がドライバーの意識啓発を図った。県飲酒運転根絶条例が施行されてから15年。1日には事業所に対し、アルコール検知器を使い運転者の酒気帯びの有無を確認することが義務化された。キャンペーンは、大崎地方1市4町と栗原市の関係団体でつくる「県交通安全母の会大崎・栗原地区連絡協議会」が主催。同会は12月1日を「飲酒運転根絶の日」と定めている。このうち涌谷町婦人防火交通安全クラブ連合会は、ヨークベニマル涌谷店とイオンスーパーセンター涌谷店の各入り口前で実施。来店客にチラシや懐炉を配り、「飲酒運転根絶に協力をお願いします」と呼び掛けた。
鳴瀬川ダム事業に10億円
11月29日に成立した政府の本年度補正予算を受け、国土交通省東北地方整備局は30日、予算の概要を発表した。鳴瀬川総合開発事業(加美町)に10億1800万円、練牛地区堤防整備事業(美里町)に9億6000万円を充てる。鳴瀬川総合開発事業では、筒砂子川に新たに建設する「鳴瀬川ダム」の上流部に工事用道路を整備。鳴瀬川総合開発事業の早期完成につなげ、流域治水の取り組みを推進する。練牛地区堤防整備事業では、鳴瀬川中流堰から南郷高裏までの鳴瀬川左岸約4キロ間に堤防を将来的に整備し、氾濫時の浸水被害を防ぐ。大崎市古川の渋井川では、新たに3億2000万円を補助。既存の排水機場のすぐ下流に水門を新たに整備し、下流からのバックウオーターに伴う浸水被害を防ぐ。
専門家が地熱発電など紹介
再生可能エネルギーの一つである地熱について解説する講座が11月27日、大崎市鳴子温泉のCafe gutto(カフェグット)で開かれた。市内外から地球温暖化防止に取り組む人が集まり、専門家の話に耳を傾けた。みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)が主催する「みやぎSDGs環境アドベンチャー」の一環。MELON評議員で東北大多元物質科学研究所の村松淳司教授、NPO法人スパっと鳴子温泉自然エネルギーの佐々木敬司理事長らが講師を務めた。村松教授は、豊富な地熱資源を有しながら普及率が低い日本の地熱エネルギーの現状について紹介。佐々木理事長らは地熱発電を模した実験器具を使い、蒸気でタービンを動かして発電する仕組みを実演した。
鹿島台小ブラスバンド 3年連続全国大会へ
大崎市唯一の小学生ブラスバンド、鹿島台小ブラスバンド(部員数25人)が「マーチングバンド全国大会」への3年連続出場を決めた。4日、部員を代表し6年生7人と教諭らが伊藤康志市長を表敬訪問した。今回の出場曲は、「大海原への挑戦~帆船アルカディア号の初航海~」。船乗りたちが大きな帆船を出航させていく物語で、海の激しさや美しさを約6分間の演奏や演技で表現。同校で長年指導しているマーチングバンド作編曲家、阿佐美圭祐さん(栃木)が作曲し提供した。
絵画の小作品58点
大崎市などの画家や絵画愛好家でつくる洋画団体「春光会」のチャリティー美術展が、同市古川穂波のギャラリー&カフェびいひろで開かれており、個性あふれる作品が訪れた人たちを楽しませている。10日まで。絵画やグッズの売上金の一部を福祉や災害支援に寄せる展覧会で、今回で53回目。会員27人が描いた油彩画や水彩画、木版画など58点を展示。はがきサイズからF6号(長辺41センチ×短辺31・8センチ)までの小作品で、風景や人物、静物など題材はさまざま。このうち佐々木利明さんの「タオルミナ街の路地」は、イタリア・シチリア島にある都市の一画を、縦約15センチ、横約10センチの画用紙に描き出した水彩画。レンガ一つ一つの色や質感を描き分ける緻密なタッチで、裏路地の薄暗い雰囲気や通路の奥から差し込む陽光の温かさを表現した。
酒造りの思い語る
大崎法人会の本年度役職員研修会が11月29日、大崎市古川のグランド平成で開かれ、同市にある「寒梅酒造」の岩﨑真奈業務執行役員が講師となって酒造り、地域づくりへの思いを語った。研修会には45人が出席。岩﨑さんは「こころに春をよぶお酒~Smile for Tomorrow 大崎耕土とともに~」と題して講演。「県内産米のみを使い、みんなが幸せになれるオンリーワンの酒造りを目指している」といい、「自分たちだけではなく地域の人、農業と一緒に成長し、大崎に来たい、宮寒梅があるから訪れたい、と言われる会社になりたい」と語った。
インフル3週ぶり減少
県は7日、第48週(11月27日~12月3日)の感染症発生動向調査週報(速報)を発表した。大崎保健所管内(大崎市など2市4町)の定点医療機関からは、インフルエンザで465人の感染が報告され、前の週から9・4%減少。県全体も3週ぶりに少なくなった。