新庁舎開庁「歴史に残る」
大崎市は28日、2023年の仕事納めを迎えた。伊藤康志市長が幹部職員に訓話。東日本大震災後から続く復興事業の総仕上げとなる市役所新庁舎開庁を踏まえ「まちづくりと人づくりに貢献し、大規模災害時の拠点機能も持つ庁舎での業務が始まり、市の歴史に残る年」と振り返った。23年を表す漢字として「炎」を掲げた伊藤市長。「市内での真夏日観測が58日(前年比18日増)、猛暑日も10日(同8日増)に及んだ。災害級の〝炎暑〟で熱中症が相次ぎ稲作にも影響が出た」と述べた上で「(市独自のブランド米)『ささ結』は高品質を確保し、寒さだけでなく暑さへの強さも証明できた」と。さらに「企業ガバナンス、政治とカネの問題が〝炎上中〟だ」と国民の思いを代弁した。
歳入に見合った歳出に
国家財政について学ぶ授業が14日、大崎市田尻小(児童数140人)であった。東北財務局による出前授業の一環。6年生21人が予算編成の体験を通して日本の未来について考えた。職員の沖田耀太朗さんが、救急車など公共のサービスや施設が税で支えられている点に触れ「税金は豊かな暮らしを送るための『会費』に当たる」と指摘。2023年度の国の歳出の約3割を医療や年金、子育て支援といった社会保障が占める一方、歳入の約3割を新たな借金(公債)で補った実態を明かした。1990年度と比べ少子高齢化の急激な進行で社会保障費が3倍以上に急増したことが背景にある。沖田さんは「歳出と税収の差が広がり、借金が増えている。一人一人が予算の使い方と財政バランスを考えることが大切」と訴えた。
正月用食材など購入
大崎市古川の「日曜朝市・暮市」(古川八百屋市運営委員会主催)が29日、「道の駅おおさき」で開かれ、年越しや正月用の食材を買い求める市民らが訪れ、ことしを振り返りながら平穏な新年を祈っていた。同道の駅では、約400年の伝統を誇る古川八百屋市(やおやまち)が4~6月の3と7の付く日に開かれており、7月からは日曜朝市に衣替えし、地場産の野菜や海産物などを販売。29日がことし締めくくりの市となった。暮市に出店したのは7店舗。定番のコメや漬物に加え、正月に飾る鏡餅や、雑煮に使われるダイコンやニンジンのひき菜(千切り)、小豆などが並んだ。
大崎への転入相次ぎ低下
県は2020年の国勢調査を基に、直近の5年間に県内35市町村を転出した人の県内転出先をまとめた。大崎市は前回調査で、石巻市と気仙沼市、大衡村からの転出先3位だったが、今回はいずれも3位以下に後退。登米市からの転出先も2位から3位、涌谷町からも1位から2位にそれぞれ下がった。東日本大震災に伴う転居が減った影響とみられる。
ケーキと絵手紙届ける
大崎市社会福祉協議会鳴子支所は22日、鳴子温泉地域で見守りが必要な高齢者世帯を訪れ、クリスマスケーキなどの食品と絵手紙を配った。歳末助け合い活動の一環で、安否確認も兼ねて毎年この時期に実施している。2019年度まではケーキに加え手作り弁当を渡していたが、21年度から長期保存できる缶詰に代えた。絵手紙は、同市鳴子温泉赤湯の自宅と鳴子公民館で絵手紙教室を開いている遠藤幸子さん(83)と生徒に依頼。温かみのある水彩画にメッセージをしたためてもらった。
門松で深淵華やかに
高さが2㍍もある伝統的な作りの門松が、大崎市岩出山の「あ・ら・伊達な道の駅」中央入り口と日東電工東北事業所正門にそれぞれ一対設置され、訪れた人たちの目を引いている。門松は、岩出山鵙目で農業・造園業を営む鹿野孝さん(90)が両社から依頼を受け、約20年前から家族の協力を受けながら毎年製作。人工的な材料はほとんど使わず、若い頃に教わった作り方を守っている。植物性の材料は全て地元産で、鹿野さんが中学時代からの知人、友人から譲り受けたり、持ち主の許可を得て山から調達したりする。このうち1基の門松に使う直径10~12㌢の竹は1本のモウソウチクから切り分けており、切り口も節の部分が笑顔に見えるよう気を遣う。
大崎市古川小野の農業、三浦誠さん(86)はこのほど、同地区の特別養護老人ホーム「寿楽苑」に高さ約1・8㍍の立派な門松一対を寄贈した。門松は、2000年に同施設のオープンを記念して寄付したところ利用者から「正月が来た」と喜ばれ、以来、毎年贈り続けており、ことしで24年目。土台に使う稲わらは自身の田んぼで収穫したものを用意。ナンテン、マツも自宅の敷地や所有する山から調達した。直径約10~13㌢の唐竹は知人から譲り受けたもので、緑のラッカースプレーで表面を塗装して見栄えを良くした。
高さ365㌢のジャンボ門松
来年1年間の交通安全を祈願し、登米署正門前にジャンボ門松が2基設置された。1月12日まで飾られている。登米署と登米地区安全運転管理者会が合同で、1998年から毎年ジャンボ門松を設置している。1年365日の無事故を願い、3㍍65㌢に切った孟宗竹を使用。周りには、縁起物で冬でも緑を保つマツの枝のほか、「難を転じる」の語呂から赤い実のナンテンなどを飾った。さらに「飲酒運転根絶」の願いを込めて「登米っぺ」「飲酒運転」と書かれた横断幕をそれぞれの門松に取り付けた。焼き印で「交通安全」「飲酒運転根絶」の文字が入った木札約300枚がマツの枝につり下げられており、縁起物として自由に持ち帰って構わないという。
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