2024/1/16


各地で「どんと祭」

 1年の無病息災や家内安全を祈る小正月行事「どんと祭」が14日を中心に各地で行われた。訪れた人たちは、持ち寄った正月飾りや古いお札をたき上げ、御神火にあたって心身を清めた。裸参りを4年ぶりに復活させた地域もあり、にぎわいを見せた。新型コロナウイルスの5類移行後初めての実施となったどんと祭。4年ぶりに再開した大崎市田尻総合体育館グラウンドでは天候に恵まれたこともあり、コロナ禍前を上回る約1500人が正月飾りなどを詰め込んだ袋を手に次々訪れた。高さ1㍍余りに積み上げられたお札やだるまに火がともされると高々と燃え上がり、訪れた人たちは手を合わせてことし1年の幸せを願ったり暖を取ったりした。

「立春朝搾り」仕込み進む

 立春の2月4日早朝に搾り、即日出荷する純米吟醸生原酒「立春朝搾り」の製造が11日、大崎市松山の酒蔵会社一ノ蔵で本格的に始まった。20回目の取り組みながら昨夏の猛暑の影響でこれまでで最も難しい酒造りになるといい、ノウハウを生かし最高の出来を目指す。酒造店や販売店でつくる「日本名門酒会」(東京都)が1998年に始めた企画で、「春の祝い酒」として親しまれている。一方、出荷日に合わせて原料の温度やアルコール度数のきめ細かな管理が欠かせず手間がかかる。ことしは、35都道府県43蔵元が参加する。県内で唯一参加する一ノ蔵は2005年に企画に加わり、ことしは2万1500本(720㍉㍑入り)の出荷を目指している。今季の酒造りは昨年12月21日に始まり、この日は醪を仕込んだ。蔵人たちが長さ3・5㍍の櫂棒を何度もタンク内に差し入れ、酒母や麹、蒸し米を混ぜ合わせていった。

商売繁盛など祈願

 大崎地方各地の神社で「どんと祭」行事が行われた14日、大崎市古川のすし店「君鮨」関係者で組織する「古川同心会」は裸参りを行い、古川中心街を約5㌔練り歩いて無病息災や商売繁盛などを祈った。同会の裸参りは、新型コロナウイルスの影響で休止していたが、5類へ移行したことにより4年ぶりに再開。古川台町の飲食店を出発し、駅前大通など古川中心部を回り、衹園八坂神社を目指した。参加したのは13人。冷え込みが厳しい中、さらし姿で会の名前が入ったちょうちんを持ち、かねを打ち鳴らして神社へ向かった。途中、商店や飲食店などに立ち寄り、商売繁盛などを祈願。能登半島地震被災者を支援するため、義援金の協力も求めた。

 

進路や悩みを大人に相談

 職業人らに進路や悩みを相談する「キャリア対話セミナー」が11日、大崎市古川南中で開かれた。2年生約160人が将来の不安を人生の先輩に伝え、それぞれの夢をかなえるためのアドバイスを受けた。2年生は昨年11月、立志式で将来の夢や決意、抱えている悩みなどを発表。この日の対話セミナーでは10人前後のグループに分かれ、大学生や市職員、企業経営者計17人のうち2人と対談した。このうち市学校教育課の学事担当主事、西野真悠さんの教室では、生徒たちが「好きなことを仕事にするには」「仕事を見つけても長続きするのか」など、率直な疑問や不安をぶつけた。西野さんは、第3志望の大学にしか受からず悩んだが、「やれることを一生懸命やりなさい」という母の言葉で奮起し、首席で卒業したという。「置かれた場所で精いっぱいやってみるのが大切。いろいろな経験を積んでほしい」と生徒たちに助言した。

 

無念無想の心養う

 古川剣道協会は7日、大崎市岩出山体育センターで初稽古を行った。小学生から高校生まで約50人が冷たい床に耐えて稽古に励み、心身を鍛えていた。毎年恒例の行事で、部活動やスポーツ少年団などで剣道を学ぶ少年少女が一堂に会し、寒中稽古を通じて1年の目標を新たにする。稽古に先立ち、小山会長が「辰年は上昇の年。能登の地震や飛行機事故など新年早々大変な出来事が続くが、剣道を通じ平常心や無念無想の心を養ってほしい」とあいさつした。剣道教士7段など高段位を持つ指導者15人が、素振り、面、胴、小手といった基本動作や、反撃に備える残心などを指導。小手すり上げ面、面応じ胴といった応じ技では「相手の呼吸や動きを観察する」「基本の打ち方をしっかり身に着けた上で練習する」などとアドバイスした。

 

強風吹き荒れる

 冬型の気圧配置が強まり、県内は15日未明から同日夕にかけて強風が吹き荒れた。大崎市古川で1月の観測史上最も強い最大瞬間風速28・2㍍を観測。トタン屋根の損傷など建物被害が出たほか、鉄道のダイヤも乱れた。同日朝、古川新田の空き家でトタン屋根がめくれ上がる被害が発生。けが人はなかったものの、破片が近くの国道47号へ飛散し、消防と警察が対応に追われた。大崎広域消防本部によると、古川新堀では70代男性が自宅庭で風にあおられて転倒し顔を負傷。ほか屋根や看板の損傷に関する通報が相次いだという。暴風は通勤通学の足にも影響を及ぼした。大崎地方関係では、JR東北新幹線仙台−盛岡間で減速運行のため遅れが生じたほか、東北線仙台−小牛田間で一部運休の措置が取られ、陸羽東線小牛田−新庄間も遅れが出た。

 

「震災支援への恩返し」

 最大震度7を観測した「能登半島地震」の被災地を支援しようと、登米市は6日、石川県輪島市に向けて支援物資を送り出した。アルファ米50食入り100箱や飲用水1㍑12本入り300箱、粉ミルク150缶、生理用品100パック、除菌シートを4㌧トラック2台で運んだ。石越総合支所玄関前で開かれた出発式で熊谷盛広市長は「東日本大震災では日本全国、世界各地からたくさんの支援をいただいた。その恩返しの第一弾」「無理することなく、気を付けて物資を届けてください」と述べた。運送には県トラック協会登米本吉支部が協力。市職員や関係者らの見送りを受け、被災地に向かった。