首席の吉野記す台帳も
大崎市古川出身の政治学者で、大正デモクラシーの立役者となった吉野作造が過ごした近代教育草創期の小学校について紹介する企画展「我が町おおさきの歴史・文化」が、同市古川福沼の吉野作造記念館で開かれている。古川第一小の所蔵資料や吉野が在学していた当時の写真が、来館者の目を引いている。3月24日まで。日本の近代教育は、1872(明治5)年公布の「学制」から始まった。吉野は84(明治17)年に古川小学校(現古川第一小)へ入学。この頃は教員の養成や財政面で準備が足りず、学制が定める理科や歴史といった教科が行われなかった。吉野は後に「昔の寺子屋から脱化したばかりの不整頓極まる学校だった」と回想している。企画展は、戦時下の暮らしをたどる昨年の「戦争篇」に続くもので、「学校篇」。吉野やきょうだいらの名が記された古川小学校の学籍簿、吉野が首席で卒業したことを記す卒業台帳など64点を展示。吉野が学校で出会った恩師、親友らのその後も追い、戦後の小学校、中学校につながる学校制度の移り変わりを紹介している。
〝地場産〟の音楽と料理
「ふるかわ産直厨房~食・楽コンサート~」(大崎市古川地域認定農業者連絡協議会主催)が9日、同市古川のアインパルラ浦島で開かれ、参加者はクラシックなどの演奏と地元産食材を使った料理を楽しんだ。「産直厨房」は、地域で生産される農畜産物に理解を深め、消費拡大につなげようと、地元出身の音楽家らを招いて開催しており、20回目。同市内や仙台市、石巻市などから約100人が出席した。演奏を行ったのは、仙台市出身のマリンバ奏者、星律子さん。加美町在住の渡邊洋子さんがピアノ伴奏を務めた。星さんは国立音楽大を卒業。仙台フィルハーモニー管弦楽団に5年間在籍し、宮城学院女子大、宮城誠真短大などで講師を務めている。演奏したのは「荒城の月」など日本のなじみの曲やタンゴ、クラシックなど。モーツァルトやベートーベンが作曲した名曲のメドレーもあり、来場者から大きな拍手を受けていた。
地域挙げ高齢者見守り
高齢者の介護予防や健康づくり、仲間づくりを狙いとした大崎市の事業「高齢者の集い」についての研修会が7日、田尻スキップセンターで開かれた。田尻地域で集いを主導する31団体の代表34人が、地域を挙げた効果的な見守りの仕方などを学んだ。市社会福祉協議会田尻支所が主催。木戸行政区長で木戸自治振興会長の高泉久利さんが講演した。木戸区の人口は108世帯362人で、うち65歳以上は146人。74人が会の生涯学習や福祉、防災など16の役割を担っている。高齢者の集いを年5回開催。観桜会や運動会、防災訓練、研修旅行などさまざまな行事を通じ、地域内融和や認知症予防を図りながらお年寄りや要支援者世帯の見守りに取り組んでいる。
作家仲間3人が合同展
大崎地方のハンドメード作家3人による合同展「綺羅びやかな世界三人展」が3月29、30の両日、大崎市古川穂波2丁目のギャラリー&カフェびいひろで開かれる。入場無料。作品は販売し、収益の一部を能登半島地震の義援金としてNPO法人大崎タイムス福祉部へ寄託する。ガラス作品を作る後藤のり子さん=あとりえboss&Nonko=、本物の花や木の実とレジン(樹脂)を組み合わせる多田幸枝さん=てこや=、天然石や琥珀を加工する藤倉真弓さん=ブリエジャルダン=が、ネックレスやヘアバンド、キーホルダーなど計約800点を展示する。両日とも午前11時~午後3時。地元のイベントで知り合い、「異素材を扱う3人が一緒に活動したら面白いのでは」と昨年6月ごろチームを組んだ。多田さんは作品に使うサクラガイの貝殻を能登半島から仕入れており、「少しでも復興の助けになれば」と寄付を決めた。会場には募金箱も設置する。
グルメキャンペーン 当選者決まる
古川商工会議所専門サービス業部会(早坂竜太部会長)が主催する「2024新春運だめしグルメキャンペーン」の抽選会が7日、同会議所で行われ、村田秀彦会頭らが特賞から3等まで111人の当選者を決めた。キャンペーンは1月1から31日まで、飲食店57店舗で実施。キャンペーン参加店で飲食し、会計の際、QRコードやはがきに氏名などを記入し応募する。同種の事業は12回目で、今回の応募数は2448通だった。抽選を行ったのは村田会頭や早坂部会長ら関係者5人。応募はがきが入った抽選箱(QRコードからの応募者は事務局ではがきに記入)から村田会頭が特賞当選者1人を抽選した後、1等、2等(各当選者5人)は5人が1枚ずつ、3等(当選者100人)は20枚ずつ引いた。特賞は仙台牛など詰め合わせ(1万5000円相当)。1等は参加店で利用できる共通金券1万円分、2等は同5000円分、3等は同2000円分。金券の有効期間は2月15日から3月10日まで。
労基協古川支部が移転
宮城労働基準協会古川支部(大崎市古川駅南)が19日、同市古川旭の大崎建設産業会館内に移転する。現在入居する「古川労働基準会館」(鉄筋コンクリート2階建て、延べ床面積146平方メートル)は1983(昭和58)年4月に完成し、古川労働基準監督署と隣接している。築40年を昨年迎え、空調や電気設備の経年劣化が進み、多額の維持管理費や修繕費がかかることから移転を模索。現在地から直線距離で500メートルほど東側の大崎建設産業会館の3階を間借りすることを決めた。移転先は4部屋合わせて117平方メートルで、このうち執務や会合の中心となる事務室と会議室は現状より広いという。引っ越しは16日。現在入居している建物と建設地は大崎市に寄付していて、市が活用を検討する。
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