2024/3/14


おぼろ汁「100年フード」に

 地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を文化庁が認定する「100年フード」に2023年度、涌谷町特産「おぼろ汁」が認定された。大崎地方では初めて。同町唯一の製造拠点「涌谷とうふ店」(同町字桑木荒)は、知名度アップに期待を寄せている。おぼろ汁の原料となる「おぼろ豆腐」は、豆乳に通常の7倍に薄めたにがりを加えて作り、ふんわりした食感とほんのり甘い風味が特徴。これに干しシイタケの戻し汁としょうゆで味を付け、水溶き片栗粉でとろみをつけたのがおぼろ汁。ほろほろとした見た目がおぼろ月夜に似ていることからこの名がついた。同町では、幕末期に京都から着任した僧が広めたとされ、製造元は昭和30年代に十数軒を数えたが、年々減り、2010年に最後の1店が廃業した。郷土料理の存続が危ぶまれる中、仙台市で「森徳とうふ店」を営む森新一さん(60)が製造会社「まちの豆腐屋プロジェクト」を設立し、11年に製造を再開。涌谷とうふ店の従業員17人のうち障害者が12人を占め、障害者の雇用促進も図っている。

学生消防団も〝卒業〟

 大崎市は8日、「市学生消防団」の任を全うした宮城誠真短大(同市古川)2年生9人に認証状を交付し、任期中の働きをたたえた。市消防団の後方支援に当たる「機能別消防団」の位置づけ。学生たちは2年間、出初め式や火災予防運動など、さまざまな場面で「火の用心」の普及啓発役を務め、短大卒業で任期満了に。認証状交付式が市役所であり、伊藤康志市長が出席した6人に直接手渡した。伊藤市長は近年、市消防団の定員割れが続く実情を明かし「若い皆さんの活動で消防団の未来に光を与えていただいた」と感謝の言葉を述べ、内海啓二市消防団長と、日向裕昭古川消防署長も学生消防団員をねぎらった。

交通安全へ一致団結

 「春の交通安全県民総ぐるみ運動」の推進会議は7日、大崎市役所であり、関係機関と市内交通団体の代表者が「安全安心なまちづくり」への一致団結を誓った。同運動は4月6~15日の10日間。 同市と、古川、鳴子両警察署などでつくる市交通安全推進協議会の委員ら約40人が出席。冒頭、協議会長の伊藤康志市長は「交通安全思想を浸透させ、市民に痛ましい犠牲者を出さないよう実践的な取り組みを」と呼び掛け、千葉良朗古川署長は「本県では年明けから死亡事故が相次いでおり、予断を許さない。運動期間に限らず取り締まりと注意喚起を強める」と述べた。市防災安全課は街頭啓発活動など現時点で企画している施策の内容を説明。さらに「交通死亡事故ゼロを目指す日」(4月10日)に古川地域中心部2カ所で「横断歩道は歩行者優先」の意識浸透を図る新たな試みも紹介し、委員に協力を求めた。

 

ソフトボール協会 中学生に技術講習

 大崎市ソフトボール協会は3日、中学生を対象とした技術講習会を同市岩出山の真山屋内練習場で開き、守備や打撃の基本を指導した。競技力向上などを目的に初めて開催。古川東、涌谷、栗駒各校の1、2年生合計23人に、同協会の指導資格のある会員が指導に当たった。守備では投手、捕手、野手に分かれ、投手の基本的な投球方法、捕手の正確な捕球について説明。外野手のフライ捕球ではグラブをかざさず打球方向にまず走り、内野手のタッチプレーでは審判に積極的にアピールするよう指導した。打撃では、素振りの練習からストライクゾーンをイメージしてバットを振るよう教えた。

 

フランク永井歌コンクール

 大崎市松山出身のムード歌謡歌手、フランク永井さんの歌を歌い継ぐ「第12回フランク永井歌コンクール」(同実行委、松山まちづくり協議会主催、大崎タイムスなど後援)が16、17の両日、市松山体育館で4年ぶりに開かれる。全国各地から出場する90組(98人)が、自慢ののどを披露する。フランク永井さん(1932~2008年)は、〝魅惑の低音〟と称された独特の豊かな低音で一世を風靡した昭和の歌謡歌手。「有楽町で逢いましょう」「君恋し」など数々のヒット曲がある。コンクールは2008年に始まり、これまで全国各地の老若男女1400人余りが出場した。予選会は16日午前10時に開始。決勝大会は17日午後0時半から。予選会を通過した30組に曲の2番までを歌ってもらい、入賞者を決定する。観覧料は、予選会は無料、決勝大会は1000円(当日は200円増し)。チケットは実行委事務局や松山地域内店舗などで販売している。

 

図書館の蔵書充実に

 大崎市図書館の蔵書充実の一助にしてもらおうと、佐藤病院(同市古川中里)は7日、100万円を市に寄せた。旧古川市時代の1977(昭和52)年から毎年続けていて、寄付総額は4580万円に達した。同館によると、同病院の浄財で購入した図書やDVDは6441点に上る。教育や医療といった専門書から絵本、図鑑などの児童書まで多岐にわたり、DVDの上映会「図書館映画会」も好評を博している。市役所を訪れた佐藤龍行院長は「父(佐藤重行理事長)が始めた取り組みで、ライフワークでもある」と継続する意向を表明。自身が校長を務める大崎市医師会附属高等看護学校に触れ、「生徒や会も図書館を活用している。蔵書をさらに充実させ、図書館利用者が増えればうれしい」と述べた。

 

ジビエに理解深める

 大崎法人会古川支部は7日、大崎市が取り組んでいるジビエ(野生鳥獣肉)による地域振興についての講演会を古川商工会議所で開いた。支部会員たちは市の安部祐輝・世界農業遺産推進監から話を聞いたほか、市内の施設で処理されたイノシシ肉の料理を試食した。大崎市は市内で捕獲されたイノシシの処理施設を、旧真山小を改修して設置。施設は1月に稼働を開始し、ジビエの特産化を進めている。講演会には13人が出席。安部推進監は、廃校校舎を活用して有害鳥獣を地域資源に変え、地域おこしを図ると事業の目的を語り、解体、衛生面の確認、冷凍保存など処理過程を説明。この後、近くの飲食店に移動し、ぼたん鍋を試食。出席者からは「豚肉に比べ味が濃厚」「歯応えもありおいしい」といった感想が聞かれた。西巻英明支部長は「地域の新しい産業、商品としての可能性を感じた」と語っていた。

 

粗大ごみLINEで受付

 登米市は3月から、粗大ごみ各戸収集のLINE受け付けを始めた。これまでは電話だけで受け付けていたが、応対日時が平日の日中に限られていた。オンライン化で職員の聞き間違いがなくなるほか、リマインドメッセージ機能で住民側の出し忘れも予防できる。まちづくり推進課によると、同様の取り組みは少なくとも県内で初めてという。

 

老人ホーム経営者ら 補助拡大で報告会

 エネルギーや物価の高騰を踏まえた県の高齢者施設への補助金が、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も交付対象となったことを受け、拡大を求めていた事業者が1日、栗原市志波姫のエポカ21で活動報告会を開き、今後も連携して活動を展開することを確認した。県高齢者施設エネルギー価格高騰対策事業補助金は当初、特別養護老人ホームなどに交付され、サービス付き高齢者向け住宅などは対象外だった。このため、住宅型有料老人ホームなどを運営する「マイホーム」(栗原市)の佐藤久社長が発起人代表となって昨年7~9月、署名活動を展開。栗原市のほか大崎地方、登米市の29法人から579筆の署名を集め、9月、県に要望書を提出した。10月以降の下半期からは、通所系介護施設などと同様に利用者1人当たり5000円(月額833円)が交付される。