2024/3/17


障害者が就労 自立図る

 障害者が福祉の支援から離れて就労し自立を図る「ソーシャルファーム大崎」が美里町和多田沼に完成し、15日、現地で落成式が行われた。公益財団法人日本財団が野菜工場の建設費を助成し、県が1年間、運転資金を補助する。同財団が考案した「脱福祉型」施設は国内で初めてといい、事業を行う社会福祉法人関係者のほか同財団の尾形武寿理事長、村井嘉浩知事らも出席し、新たな取り組みに期待を寄せた。

アイガモロボの効果学ぶ

 環境に優しいスマート技術を活用した省力化などについて学ぶ「グリーン化農業講演会」(大崎市有機農業・グリーン化推進協議会主催)が13日、同市古川のアインパルラ浦島で開かれた。参加した農業者は水田の雑草の発生、成長を抑制するロボット「アイガモロボ」の効果について話を聞いた。有機米の栽培は除草にかかる労力の軽減が大きな課題で、この日はアイガモロボを開発した有機米デザイン(東京都)の中村哲也取締役が講師を務めた。アイガモロボは、スクリューの水流で田んぼを濁らせて太陽光を遮り、雑草が光合成しにくい環境をつくり出す。電源は太陽光パネルで、スクリューで自走する。中村さんは「通常の有機米栽培の手法に比べ、除草にかかる労力が約60%減り、収量は10%アップした」と、独立行政法人などの実証試験結果を紹介。また、中山間地でも導入しやすいサイズや価格を目指し、ブラシ型パドルで水を攪拌する「安価版」の開発に取り組んでおり、「ことしから実証試験を行い、早く市販にこぎ着けたい」と語った。

「日本語大賞」で最高賞

 「第15回日本語大賞」(NPO法人日本語検定委員会主催)中学生の部で、古川学園中特別進学コース1年の鎌田薫穂さん(13)が、最高賞となる文部科学大臣賞を受賞した。作品に取り上げたのは古語の「いみじ」。鎌田さんは「最高賞をいただけるとは思っていなかったので、すごく光栄」と喜びをかみしている。

 

〝最後〟のコンクールに意欲

 古川学園高の非常勤講師でシャンソンを歌い続けている大崎市古川福沼の阿部澄江さん(70)は18日、東京都・渋谷区文化総合センター大和田で行われる「第10回東日本JCCプラチナコンクール」(NPO法人日本シャンソン・カンツォーネ振興協会主催)に出場する。同コンクールはシャンソンやカンツォーネ、ラテンなどを愛唱する60歳以上を対象に実施。阿部さんはこれまで3度出場しており、第6回大会(2020年)では準優勝となった。今回は体調不良やコロナ禍を経て4年ぶりに挑戦し、音源審査を突破した。宮城県出身のシャンソン歌手、小池マリコさんに師事し、これまで数多くの全国コンクールで優勝や入賞している阿部さん。今回歌う曲は岸洋子の「今宵あなたが聞く歌は」。4年前の準優勝曲で、「リベンジを込めて選曲した」という。70歳の節目を迎え、コンクールと名の付く大会は今回限りと決心。「古川少年少女合唱団から歌い続けてきて、競うよりも楽しく歌いたいと思うようになった。気負わずコンクールを楽しんで幕を引きたい」とほほ笑む。