2024/3/21


「魅惑の低音」競う

 大崎市松山出身のムード歌謡歌手、故フランク永井さんの名曲を歌い継ぐ「第12回フランク永井歌コンクール」(同実行委、松山まちづくり協議会主催)が16、17の両日、市松山体育館で開かれ、全国から集った出場者が自慢ののどを披露した。4年ぶりに再開した今回は、15歳から80代までの84組94人が出場。初日の予選会で曲の2番までを歌唱し、上位30組35人を選出。2日目の決勝大会で予選通過者が同じ曲を歌い入賞者を決めた。タキシードやドレスなどに身を包んだ出場者たちは、「有楽町で逢いましょう」「君恋し」などを熱唱。会場には両日合わせて約700人の聴衆が訪れ、「魅惑の低音」に耳を傾けた。優勝したのは、初出場で「ラブ・レター」を歌った栃木県足利市の介護職員、原田佳眞さん(29)。

近隣有志の作品展

 大崎地方を中心に油彩画や彫刻といった種々の創作活動に打ち込んでいる人たちによる「大崎エリアの仲間たち作品展」が美里町近代文学館で開かれている。大崎タイムスなど後援。24日まで。日々の創作活動を通して知り合った有志が集まり、昨年始めた取り組み。ことしは前回より3人多い14人が水彩画や写真、デコパージュなど計60点ほどを展示した。

鳴子温泉郷PR動画制作

 大崎市は、鳴子温泉郷と伝統工芸「鳴子こけし」「鳴子漆器」の魅力をPRする動画を制作した。旧鳴子町時代に作られたビデオを39年ぶりにリニューアルしたもので、19日から動画サイト・ユーチューブの市広報チャンネルで公開。市は国内外へ広く発信することで、インバウンドを含めた観光誘致に期待している。リニューアルした動画のタイトルは「伝統継承 鳴子こけしと鳴子漆器」。こけし工人、漆器職人の制作風景と、鳴子温泉地域最大の祭り「全国こけし祭り・鳴子漆器展」の模様を約5分に凝縮した。ナレーションは日本語で、英語、台湾語(繁体字)、中国語(簡体字)、韓国語の字幕が入った全5バージョンがある。完成お披露目会が公開に先立つ同日午前に鳴子公民館で開かれ、関係者約50人が出席。開会あいさつで伊藤康志市長は「鳴子温泉郷の活況を取り戻す起爆剤の一つとして、私も動画を発信しながら全国、海外に大いに売り込んでいきたい」と意気込んだ。

 

乳製品食べると健康に

 さまざまな健康効果があるとされる「奇数脂肪酸」が多い人は、乳製品を摂取している割合が高いことが東北大「東北メディカル・メガバンク機構」のコホート調査で分かった。同じく健康効果が高いとされる「オメガ3脂肪酸」が多い人ほど、菓子をあまり食べていなかった。乳製品摂取と奇数脂肪酸の相関関係が検出されたのは、アジアで初めて。

 

「里山里海」復活後押し

 能登半島地震で壊滅的打撃を受けた世界農業遺産「能登の里山里海」復活に向けて、大崎市は中長期的支援に乗り出す。伊藤康志市長自ら今月11、12日に現地入りし、被災状況を確認。馳浩石川県知事、関係自治体の首長と意見交換も行った。国内初の世界農業遺産認定「里山里海」を手本とし、豊かな水が育む米どころ「大崎耕土」の東北初認定(2017年)に結び付けた経緯を持つ同市。農業遺産の〝兄貴分〟と仰ぐ能登存亡の危機を救うため〝弟分〟が名乗りを上げた格好だ。伊藤市長は新幹線と車を乗り次ぎ出発翌日の11日朝、安部祐輝世界農業遺産推進監、防災安全課の職員とともに能登半島へ到着。「里山里海」構成市町(9カ所)のうち七尾市、能登町、珠洲市、輪島市に足を運んだ。シンボル的存在「白米千枚田」(輪島市)も訪ね「無数に走る亀裂や落石を目の当たりにし、大きな衝撃を受けた」(防災安全課)という。大崎市内の市民や企業、団体から託された支援金(NPO法人大崎タイムス福祉部寄託の400万円含む)を届けることも使命の一つ。一行は人々の生活となりわい再建、復旧復興事業の加速、そして「里山里海」復活の願いを込め、各首長に直接手渡した。

 

公費解体など支援

 大崎市は20日、能登半島地震で被災した石川県輪島市に職員2人を派遣した。現地に着く21日から5日間、被災家屋の公費解体など支援業務に取り組む。環境省の要請に基づく職員派遣。19日に市役所で出発式があり、伊藤康志市長と幹部職員が「被災者に寄り添った働きを」と活動服姿の2人を激励した。2人のうち、千葉文隆市民会館副館長は東日本大震災と熊本地震で公費解体事業に従事した経験を持つ。出発に当たり「公費解体は復興の第一歩。現場経験をしっかり役立てたい」と決意を述べた。

 

白鳥省吾賞 中村さん(築館6年)最優秀賞

 栗原市出身の詩人、白鳥省吾(1890-1973年)の功績を後世に伝える「第25回白鳥省吾賞」(栗原市など主催)の受賞作品がこのほど決まった。一般の部(高校生以上)の最優秀賞は、神戸市の大学非常勤講師、大西昭彦さん(62)の「雪虫」、小・中学生の部の最優秀賞には築館小6年、中村咲彩さんの「小さな命」が選ばれた。受賞14作品は市立図書館に隣接する白鳥省吾記念館に6月23日まで展示されている。自然か人間愛をテーマにした口語自由詩を昨年7~10月に募集したところ、全国から一般の部に773点、小・中学生の部に493点、計1266点の応募があった。栗原市在住の日本現代詩人会会員、佐々木洋一さんらが審査した。