2024/5/11


繁殖雌牛の放牧始まる

 繁殖用雌牛の放牧が10日、大崎市鳴子温泉鬼首の市営鳴子放牧場で始まった。牛たちは市内各地の牧場からトラックで運び込まれ、禿岳(標高1261・4メートル)の麓に広がる約13ヘクタールの高原で、11月5日までの半年間を自由に過ごす。広い牧草地を走り回ったり天然の緑草を食べたりして自然に近い環境で生活してもらうことで、牛の健康増進や受胎率の向上を図るのが狙い。農家にとっては放牧中の労力削減に加え、円安などで高騰が続く輸入飼料を節約できるほか、夏場に牛舎内の冷房も使わずに済む。

 

古川の今昔伝える

 「第22回ふじまつり古川今昔写真展」が9日から、大崎市民ギャラリー・緒絶の館で開かれている。古くは明治・大正時代から現代までの古川のまちなどを撮影した約200点が並び、来場者は懐かしがったり、驚いたりしながら鑑賞している。12日まで。大崎生き活きまちづくり21委員会(只野四郎会長)が毎年実施している。ことしは七日町をテーマに、旧古川市時代に市民から集めた古い写真と現在の様子を並べて展示。見事に咲き誇るフジの写真は、主に会員が撮影した。

 

「南原穴堰」世界かんがい遺産候補に

 江戸時代開削の農業用水路「南原穴堰」(大崎市鳴子温泉)など3施設について、国際かんがい排水委員会(ICID)日本国内委員会は本年度の「世界かんがい施設遺産」候補としてICID本部へ申請手続きを行う。南原穴堰が登録されれば内川(同市岩出山)に続き市内2施設目。9月の執行理事会で結果発表される見通し。南原穴堰は出羽街道中山宿、鳴子温泉南原集落の新田開発を目的に1644年から3年がかり、全工程手掘りでの開削と伝わる。大谷川の支流が取水源で延長1880メートルのうち地中を通る隧道が1330メートル。緩勾配ながら開削時の横穴「狭間」から堆積土砂が排出可能な仕組みも特徴だ。現在も住民でつくる水利組合が機能維持に取り組んでおり、集落の田んぼ約25㌶を潤す。世界農業遺産「大崎耕土」上流域、中山間地における「巧みな水管理」の象徴的存在として環境教育の場、体験型観光の受け入れなど市内外に名高い。

 

誰よりも高く美しく

 第25回県トランポリン競技選手権大会(県スポーツ協会など主催)が4月28日、登米市石越体育センターであった。フェリース・ミラーノ(大崎市)、石越町ジャンプ愛好会(登米市)、多賀城市民スポーツクラブ(多賀城市)、エムズスポーツクラブ雫石(岩手県)から合わせて41人が出場。高い跳躍と切れのある演技を披露した。10本のジャンプを自由に構成する自由演技で、演技点と難易度、移動減点のほか、Cクラス以上は跳躍時間を総合して審査。予選2本のほか、決勝は一発勝負で順位を決めた。

 

福祉部2度目の寄託

 NPO法人大崎タイムス福祉部は9日、一般市民や団体、企業から寄せられた能登半島地震支援金13件、計100万円を大崎市に寄託した。3月に続く2回目の支援金寄託で総額500万円となる。初回の寄託以降、締め切り(3月末)まで受け付けた浄財に、福祉部側が約9万円を追加拠出。伊藤卓二理事長らが市役所を訪ね、伊藤康志市長へ手渡した。伊藤理事長は「東日本大震災で受けた支援の恩返し。被災者に届けてほしい」と語った。浄財は市経由で被災地に届けられる。ともに世界農業遺産認定地域の縁で発災後2度、能登半島を訪れた伊藤市長。「半島の地理的条件で復旧復興が遅れている」との見方を示した上で「1日でも早い復興に役立ててもらえるよう(支援金を)取り次ぐ」と約束した。

 

作業場兼倉庫建設へ

 大崎市田尻大貫の農事組合法人「おおぬき彩土里(いろどり)ファーム」は、汎用乾燥機を設置する作業場兼倉庫を建設することにし、9日、現地で地鎮祭を行った。新施設を活用して作業の効率化を図り、少人数体制での生産実現などを目指すことにしている。同法人は組合員20戸で構成し、2021年8月に法人化した。経営面積は約80㌶で、主食用米や飼料用米、小麦、大豆などを生産。昨年から一部開田を活用し、サツマイモの試験栽培にも取り組んでいる。建設する作業場兼倉庫は鉄骨造平屋で、床面積約274平方㍍。今月中旬に着工し、9月末ごろの完成を目指している。同法人はこれまで個人宅の乾燥機を使用していたが、新たに乾燥機を導入し、今秋から使用していくという。

 

しづはた姫無事故訴え

 築館署の広報啓発キャンペーン「交通事故ぜったいゼロ作戦」がこのほど、栗原市のイオンスーパーセンター志波姫店であった。昨年11月のつきだて薬師まつりでパレードの主役を務めた「ミスしづはた姫」の佐藤夢姫さん(23)が一日警察署長となり、築館地区交通安全協会員らとともに交通事故防止を呼び掛けた。フードコート隣で行われた広報啓発キャンペーンには、市のマスコットキャラクター「ねじりほんにょ」と県警のシンボルマスコット「みやぎくん」も登場。来店客に交通事故防止、飲酒運転の根絶を呼び掛けるちらしやグッズを配った。