2024/6/12


畑ワサビを特産品に

 県が有望品種として生産拡大に力を入れている畑ワサビが19日、加美町で初収穫を迎える。栽培に手間が掛からず、中山間地でも育てやすいことから新たな特産品として数年後の「日本一の産地」を目指している。7日に現地検討会を同町で開き、新規栽培を検討している県北部の農業者ら約50人が生育状況を確かめた。県によると、ワサビの消費量は日本食拡大を受けて海外需要が急増する一方、温暖化の影響で主要産地の西日本で生産量が激減している。国内生産量は1998(平成10年)に4101トンだったが、2022年には1635トンに落ち込んだ。比較的冷涼な東北地方の気候を踏まえ、県大崎農業改良普及センターは、ワサビ製品製造最大手「金印」(名古屋市)と連携し普及を図っていて、東北最大産地の岩手県(約30ヘクタール)を超える生産面積を目指している。

 

出水期に備え排水訓練

 集中豪雨や台風など洪水が起きやすい出水期を迎え、北上川下流河川事務所は排水訓練を管内6出張所別に行っている。装備品や取り扱い方、排水作業従事者の配置について確認するのが狙い。5月7日から1カ月半ほどかけて進めている。6日は、大崎市松山須摩屋の鳴瀬川右岸で実施。同事務所や同事務所の発注工事を請け負っている建設事業者計40人が集まった。用意したのは、鹿島台出張所(同市鹿島台)に配備されている排水ポンプ車と排水ポンプユニット各3台のほか、夜間作業時に地上10メートルから広範囲を照らす照明車1台。排水能力は1台当たり毎分30トンで、長さ25メートルのプールを10分で空にできるという。参加者たちは、手早くホースをつなぎ合わせて最長60㍍まで伸ばして川に入れ、吸い込んだ水をもう一方のホースから排出した。

 

陸羽東線 フレーム切手に

 日本郵便東北支社は3日、フレーム切手「奧の細道湯けむりライン 陸羽東線」を宮城県北エリア(大崎市、栗原市、色麻町、加美町、涌谷町、美里町)の59局で売り出した。限定400シート。別途ウェブサイト販売分はすでに完売の人気ぶり。鉄道写真の84円切手10枚組で税込み1700円。世界農業遺産「大崎耕土」の田園風景や紅葉に染まる鳴子峡などおなじみの撮影スポットに加え、特別列車のSL、リゾートみのりを捉えたものも。うち4枚は「おおさき観光写真コンテスト」(大崎市主催)の入賞作。「切手収集家だけにとどまらず、鉄道愛好家からも好評」(西古川駅前郵便局)という。

 

吉田川流域の治水対策へ

 吉田川の総合的流域治水対策に向け国による土地改良事業などの早期実現を目指す「吉田川流域国営土地改良事業促進協議会」は6日、2024年度総会を大崎市鹿島台の吉田川志田谷地防災センターで開き、任期満了に伴う役員改選で会長の伊藤康志大崎市長ら全役員を再任した。会を構成する流域8市町村や県、国、土地改良区などから34人が出席。議事で前年度事業報告と収支決算、本年度事業計画案や収支予算案など議案7件を原案通り可決した。本年度は、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」期間(来年度まで)内の国営総合農地防災事業の地区調査完了と早期事業着手に向け、事業計画と調査取りまとめの協力、関係機関への要望などに取り組む。

 

校内の花壇に花苗植栽

 県立古川支援学校で4日、「花植え集会」が開かれ、古川古城ライオンズクラブから寄贈された花の苗を、高等部1年生が同クラブ会員と一緒に植栽した。同クラブが生徒と一緒に植える活動は同校の伝統的な行事で、今回はベゴニア、マリーゴールド、サルビアの3種類合わせて90株を寄贈。生徒約30人と同クラブ会員6人が参加した。作業を行った場所は校舎正面玄関近くの花壇で、約20メートルの長さに2列に分けて植栽。生徒たちは同クラブ会員と力を合わせ、移植ごてで穴を掘った後、ポットから苗を取り出して植え、丁寧に土をかぶせていった。

 

原子力災害も想定

 12日は「みやぎ県民防災の日」。1978年の同日、宮城県沖を震源とする大規模地震が発生し、建物、ブロック塀の倒壊が各地で発生。多くの犠牲者を出した。「県民防災の日」は、この災害を教訓に設けられた。県は同日、地震、原発事故を想定した総合防災訓練を実施する。美里町は県女川オフサイトセンターに職員を送り、情報伝達訓練を行う。県は自治体に職員を派遣し、情報の収集、連絡調整などに当たる。