2024/7/4


ドイツの話に興味津々

 加美町のスポーツ国際交流員(SEA)、ドイツ・ベルリン市出身のフォーゲル・マークスさん(26)による最後の出前授業が2日、宮崎小で行われた。同交流員は、地域や学校でスポーツ補助を行う外国人のスポーツ専門家。マークスさんは2023年8月、県内初の交流員として来日。同町の中高部活動やスポーツ施設でカヌーを指導してきたほか、小中学校でドイツ国際理解教育出前授業を行ってきた。任期を終えることし8月、帰国を予定している。出前授業は前年度7校、本年度は5校で実施。最後となったこの日の授業は同校4年生10人が対象。マークスさんは写真や動画でドイツ、ベルリンの街並みや祭り、食、スポーツなどを英語で紹介した。ドイツにはカヌー競技を含めた2400ものスポーツクラブがあることや、主食のパンは3000種類もあることなどを説明すると、児童たちは興味津々の様子で聞き入った。

 

出水期に備え水防演習

 集中豪雨や洪水が起きやすい出水期に備え、大崎市消防団は6月30日、水防演習を同市三本木の鳴瀬川河川敷で行い、団の初動態勢強化や水防技術向上を図った。防災意識の高揚を図る狙いもある。演習は大型台風の影響で市内の24時間雨量が200㍉に達し、河川が急激に増水したという想定で実施した。市や大崎広域消防本部を含め約250人が集結。同団三本木、鹿島台、松山各支団の団員たちが、代表的な水防工法4種(シート張り、月の輪、積み土のう、木流し)を実演した。

 

鳴子ダムの貯水率低下

 今季の少雪と少雨に伴い鳴子ダム(大崎市鳴子温泉)の貯水率が低下しているのを受け、鳴子ダム管理所は2日、利水関係機関を招いての「利水調整会議」を同管理所で開いた。小嶋光博所長(58)は「今後も予断を許さない」とし、節水や取水制限の継続に対し理解と協力を求めた。同管理所によると、同日現在の利水貯水率は96・1%で、6月30日の降雨で回復したものの、放流量は例年の47・3%(連報値)にとどまっている。利水調整会議には、江合川沿岸の4土地改良区や東北電力など7機関計13人が出席。これまでの対応と今後の方針について話し合った。大崎地域水管理協議会の菅野貴事務次長は「5月から取水率を段階的に絞り、6月には番水に切り替え、当面継続する予定。出穂期に向けて利水を調整できるかが課題だが、生育状況をみると出穂期は例年より若干早まるとみられ、今後の状況を確かめながら対応したい」と述べた。

 

大崎地方の首長資産公開

 大崎地方の各首長が1日、資産等公開条例に基づき2023年の所得などを公開した。所得総額トップは伊藤康志大崎市長で、大崎地域広域行政事務組合管理者、県土地改良事業団体連合会長、県青年会館理事長の役員報酬を含む給与所得、不動産所得の計1515万円。相澤清一美里町長1296万円、早坂利悦色麻町長1030万円、遠藤釈雄涌谷町長899万円と続いた。1年間通して在職の首長が公開対象で、石山敬貴加美町長(23年8月就任)は対象外。

 

「銀河鉄道の夜」を解説

 天文学の専門家を招いた「天文講演会」が6月29日、大崎生涯学習センター・パレットおおさきプラネタリウム館で開かれた。天文学者で写真家の大西浩次さんが「銀河鉄道の夜」を題材に、作品制作に影響を与えたとされる当時の天文学について語った。長野工業高専工学科リベラルアーツ教育院の教授を務める大西さんは、重力レンズや系外惑星探査が専門。天文教育とその普及に精力的に取り組む一方、SNSを中心に自ら撮影した星景写真を紹介していて、全国各地で個展も開いている。銀河鉄道の夜は、宮沢賢治の代表作の一つ。少年ジョバンニが親友カムパネルラと共に銀河鉄道に乗って宇宙を旅する物語で、1920~30年代の約10年間にわたって作られ、内容が異なる四つの草稿がある。大西さんは、発着点の暗黒星雲を天空の穴、運行ルートの天の川を全宇宙とする作品の基本構想を「吉田源治郎やアーサー・トンプソンの本に依存している」と解説。執筆中の10年間で暗黒星雲の正体や天の川以外の宇宙について研究が進んだため、3回も書き直すことになったのではないかと予想した。

 

発電の仕組み学ぶ

 小規模太陽光発電の普及に努める「みやぎ地域・市民電力連絡会」は6月29日、古川くりの木保育園(大崎市古川福沼)で再生可能エネルギーの大切さを学ぶ活動を行った。園児たちは水力や太陽光による発電でおもちゃなどが動く様子を観察し、電気を起こす仕組みに理解を深めた。同会はおととし9月、エコスタイル(本社・大阪市)の東北復興応援プロジェクト補助金を活用し、同園に自家消費型の太陽光発電設備(出力7・8キロワット)を無償で設置。同設備は同園が1年間に使う電力の約10%を賄っている。今回の活動は、「設置施設や地域で5年間、年1回環境教育活動を行う」という交付条件に基づくもの。2年目のこの日は水戸部秀利共同代表ら会員が水道の水を受けて発電する手作りの水車や携帯型太陽光パネルを持ち込み、クマのおもちゃなどを動かしてみせた。

 

みやぎ登米農協 フラッグシップに選定

 農林水産省は6月26日、農畜産物の輸出に取り組んでいる「フラッグシップ輸出産地」として、香港やシンガポールなどにコメを輸出しているみやぎ登米農協(登米市)など42産地を初選出した。今後は海外バイヤーを招いた産地ツアーや商談会などで輸出拡大を支援する。コメの選定は全国2産地だけで、県内からの選出はみやぎ登米農協だけ。