大崎の「畑ワサビ」初収穫
大崎市鳴子温泉鬼首のカムロ農園が市と連携して育てた「畑ワサビ」が16日、初めて収穫、出荷された。手探りの栽培だったが、収量は約1トンを見込んでいる。同農園の髙橋公代表は「改善点も見え、次の作付けはだいぶ良くなる」と自信を見せていた。県が有望品種として生産拡大を図っている畑ワサビ。茎を食用とするワサビで、収穫まで18カ月ほどかかるものの、栽培に手間がかからず、辛味成分の影響で獣害対策も不要。日当たりが悪い中山間地や耕作放棄地を活用できる利点もある。市は国の「中山間地農業ルネッサンス事業」による補助を活用し、22年11月に試験栽培を開始。市と連携した同農園は、適度な日陰と水はけがあるとして、耕作地として利用していない敷地内のスギ林約12アールを整備し、木々の間に苗を植え付けた。この日は、同農園職員ら10人余りが畑に集まって作業。雑草をかき分け、特徴的な扇形の葉を目印に根元から引き抜いた。収穫した畑ワサビはその場で葉を切り落とし、20~30センチに育った茎をコンテナボックスに詰めていった。
五輪関連書籍など展示
パリ五輪を前に、加美町中新田図書館で「フランスウィーク」が開かれている。加美町国際交流協会(KIFA)が同館と共催して開催。フランスと五輪に関連する図書やパネルなどが並び、訪れた人の目を引き付けている。24日まで。会場の展示ホールにはフランスの文化や食、観光地、行事などを記したパネル、県図書館から取り寄せた書籍を含め100冊余りの関連図書を展示。フランス人の父親と日本人の母親を持つ同町在住の木工職人、ロア・ウィリアムさんの作品も紹介している。また、フランスの巨大国旗や、ジャン=フランソワ・ミレーの油彩画「落穂拾い」のレプリカ、パリ五輪マスコット「フリージュ」人形などもあり、五輪ムードを漂わせている。
貯水率回復し番水終了
鳴子ダム管理所は17日、3回目の利水調整会議を同所で開き、今月上旬の降水で鳴子ダム(大崎市鳴子温泉)の貯水率が回復したのを踏まえ、今後の対応を利水関係機関と話し合った。水田に大量の用水が必要になる出穂期を控え、大崎地域水管理協議会は継続中の番水制をこの日限りで終えることを決めた。5月23日に渇水対策支部を設けてから約2カ月。7月に入り平年の約1・5倍の雨量を記録し、17日現在の利水貯水率は100%に達した。
ラムサール条約湿地 20周年プレイベント
ラムサール条約登録湿地「蕪栗沼・周辺水田」(大崎市田尻など)ゆかりの研究者と自然保護団体らによる講演や事例報告、パネル討論が5日、市役所であった。条約登録20周年となる来年に向けて機運を盛り上げる狙い。基調講演では、見上一幸さん(元市マガンの里づくり研究会委員長、元宮城教育大学長)がかつて手掛けた蕪栗沼での環境教育の成果や、湿地復元とグリーンツーリズム推進に情熱を傾けた故峯浦耘蔵氏(旧田尻町長)との出会いなど〝登録前夜〟の逸話を紹介。さらに将来的な「持続可能な地域づくり」に向けて「子どもたちが動植物と触れ合い、豊かな自然を実体験できる機会」が必要と説いた。渡り鳥をはじめ多様な動植物が息づく「蕪栗沼・周辺水田」は旧田尻町時代の2005年、ラムサール条約登録湿地に。「周辺水田」含む登録は世界初だった。
ロープワーク学ぶ
鳴子署と鳴子消防署でつくる連絡協議会の合同研修が10日、鳴子消防署で行われ、若手警察官が山岳事故を想定し、救助に役立つロープワークを学んだ。同協議会は、災害現場などでの共通理解を図ろうと、両署を交互に会場として定期的に意見交換会や研修を実施している。この日は、若手警察官の実務能力向上を図る鳴子署の実践塾「鳴子有備塾」の塾生8人が、鳴子消防署の救助隊員から指導を受けた。若手署員たちは、ロープの端に輪を作る「もやい結び」といった基本的な結び方をはじめ、鉄棒にロープをかけて結ぶ技法、鳴子峡の遊歩道からロープを使って救助する方法などを研修。ロープの複雑な結び方には悪戦苦闘し、こつを教えてもらったり、手本を見せてもらったりしながら何度も挑戦していた。
コロナ2・6倍に急増
県は18日、第28週(8~14日)の感染症発生動向調査週報(速報)を発表した。大崎保健所管内の定点医療機関10カ所では、新型コロナウイルスで132人の感染が報告された。前の週から2・6倍に急増。県全体も4週連続で前の週を上回っている。圏域ごとの定点医療機関で診断された新型コロナ感染者報告数は▽大崎132人(1定点医療機関当たり13・2人)▽塩釜159人(同9・94人)▽気仙沼37人(同9・25人)▽石巻71人(同7・1人)▽仙台市284人(同6・45人)▽仙南43人(同6・14人)。6圏域全てで前の週を上回り、県全体は1・7倍に当たる726人(同7・98人)になった。
コメントをお書きください