戦没者悼み平和祈る
終戦の日の15日、大崎地方では先の大戦で亡くなった人々を悼む式典が各地で開かれ、平和の祈りに包まれた。このうち大崎市古川富永地区では、同地区遺族会が主催する戦没者慰霊祭が古川富永地区公民館で開かれ、出席者は神前に玉串をささげ、戦地で散った家族らの霊を慰めた。慰霊祭には遺族会の会員や富永地区の行政区長、伊藤康志市長ら約30人が出席し、神事に臨んだ。出席者は最初に国家を斉唱して黙とうし、戦地で亡くなった兵士を慰霊。遺族会の守屋あや子副会長(81)は、中国で父親を失った。27歳だった。「亡くなったのは私が1歳3カ月のころで、父の思い出はない。出征前に自分を抱いた写真が1枚あるだけ」という。「祖母から性格が父親に似ていると言われ、生きていてくれたらと思った。きょうは、二度と戦争がないよう祈った」と語っていた。
初の「地域食堂」好評
地域住民が集う居場所として注目されている「地域食堂」が5日、大崎市岩出山西大崎地区公民館で開かれ、小学生の親子にカレーライスが無料で振る舞われた。みんなで味わう食事は格別の様子で、児童も保護者も「おいしい」と好評だった。主催したのは西大崎地域自治協議会福祉委員会。児童のほか、保護者同士も交流も深め、笑顔になってもらおうと初めて開いたもので、題して「地域食堂西大崎すまいるキッチン」。この日は、同館の学童保育を利用している児童と保護者ら約30人が訪れた。同委員会役員が自宅の畑から収穫したナスやピーマンなどを持ち寄り、夏野菜カレーを調理すると、食欲をそそるいい香りが広がった。子どもたちは、新鮮な野菜がごろごろ入った具だくさんのカレーに大喜び。おいしそうに頬張り、次々とお代わりしていた。
岸田首相が退陣表明
岸田文雄首相が14日、9月に予定の自民党総裁選への不出馬を明言した。「賃上げと投資による所得と生産性の向上」を進めた一方で、「政治とカネ」絡みの政治不信を払拭できず事実上の退陣表明。大崎地方にも波紋が広がっている。大崎市の伊藤康志市長は「(不出馬は)けじめの現れ」との受け止め。派閥解消を「果敢な決断」と評価した上で「次の総裁、首相には改革を引き継ぎ国民の信頼に応え、かつ国際的な平和に向けて各国首脳と渡り合える外交力を期待したい」と述べた。地方議員からは労をねぎらう声が出た一方で、突然の幕引きに対する批判も。県議会前議長で最大会派「自由民主党・県民会議」所属の菊地恵一氏(大崎選挙区)は「国内外でさまざまな困難が相次ぐ中、首相の重責を担われた」とおもんぱかり、党県連古川支部長の立場で「党が失った信頼回復に努める」と自らの襟も正した。同じく県議会で立憲民主党系会派「みやぎ県民の声」に所属する佐藤仁一氏(同)は「正直驚いた。潔い姿勢に見える反面、大なたを振るいながら最後までやり遂げず次に託すのは無責任だ」と断じた。また小沢和悦日本共産党大崎市議会議員団長は「物価高騰下の大企業優遇、防衛費増額で国民、特に少子高齢化が進む地方の暮らしは良くならない。頭のすげ替えでなく、政治そのものを変えなければ」と語気を強めた。
交通事故8月要注意
8月に増加傾向の交通事故を未然防止しようと、古川地区交通安全協会女性部と古川署は7日、道の駅おおさき(大崎市古川)で啓発活動を繰り広げた。かつては東北道古川インターチェンジ付近で毎年夏に実施していた取り組みで、道の駅開業(2019年)以降、現在の形に。会員たちは目立つ黄色い帽子、上着姿で集合。横断幕やのぼりを掲げたり、道の駅の利用者にチラシを配ったりして安全運転を呼び掛けたほか、交通遺児支援募金への協力も求めた。県警による過去5年間の事故統計で、8月は県内35市町村のうち15自治体で重傷以上の重大事故発生割合がほかの月を上回る。
「りぃど」第7号刊行
大崎地方の高校図書館でつくる「県高校図書館研究会第2ブロック」は、司書部会記録誌「りぃど」第7号を刊行した。昨年度に行った研修会や実践の結果、各学校図書館の活動を紹介しているほか、高校生の活動を伝えた大崎タイムスの記事262本の掲載日や見出しを網羅している。りぃど第7号は、新型コロナウイルスの5類移行を経て図書館利用促進に向けた書籍展示の工夫、ポップコンテストといった試みのほか、各校の図書貸し出し数トップ10や司書が推薦する本をまとめた。A4判、40ページ(本誌)で50冊作り、関係機関に贈った。
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