古里の盆 華やかに彩る
お盆の14日、夏祭りが各地で開かれた。新型コロナウイルスの5類引き下げを受けて手探りでの再開だった昨年と異なり、コロナ禍前のにぎわいが戻った。地元住民のほか、帰省中の人たちが古里の夏を楽しんだ。大崎市鹿島台の「わらじまつり」(実行委員会主催)では、昨年に再開を目指すも台風の影響で見送ったメインイベント「わらじパレード」が5年ぶりに復活。住民ら約600人が大小合わせて15基のわらじみこしを担ぎ、鹿島台小とJR鹿島台駅前交差点間の県道約500メートルを往復した。同市松山の「まつやま夏まつり」(実行委主催)は松山公民館駐車場を中心に開かれた。ちょうちんや紅白幕が彩る山車「松山ばやし」(高さ約3メートル)に児童ら20人余りが乗り込み、笛と太鼓を演奏。涌谷町の江合川河川敷では恒例の花火大会(町など主催)を開催。町出身の声優安野希世乃さんのファン「安野家。」有志約100人が協賛したスターマインなど約2000発が夜空を焦がし、約5000人が酔いしれた。
吉野作造の新資料公開
日本近代史研究の草分けとなった明治文化研究会(初代会長・吉野作造)発足から100年を迎えたのを記念する「新収蔵資料展」が、大崎市古川福沼の吉野作造記念館で開かれている。9月23日まで。同研究会は大正デモクラシーをけん引した政治学者、吉野が中心になって1924(大正13)年に結成した学術団体。明治時代が歴史学研究の対象として成立していなかった当時、明治期の政治や社会、経済、文化などあらゆる分野に関する資料収集と基礎研究に取り組んだ。今回展示したのは、2022年に吉野の子孫から寄贈された同研究会に関する原稿やはがき、同館所蔵の未公開資料など55点。研究のため、自由民権運動の指導者、板垣退助(1837~1919年)にインタビューを依頼した吉野への返答文書や、明治政府の要人たちが議論していた国家の「根本法」をさまざまな記録から解き明かした同研究会員の論文など貴重な新資料が並ぶ。
社会貢献大賞の候補募集
吉野作造記念館の指定管理者、NPO法人古川学人は「おおさき社会貢献大賞」の表彰候補事例を募集している。同賞は、大崎市内の小中高生と特別支援学校生、高等専門学校生の優れた取り組みを表彰するもの。取り組み内容は2023年10月1日~24年9月30日に行った①若者の政治参加に関する活動②社会福祉に関する活動③地域文化、地域社会に貢献する活動④国際貢献活動。自薦、他薦を問わず、他薦の場合は事前に対象者の了承を得る。同賞は、大崎市古川出身で大正デモクラシーをけん引した吉野作造のデモクラシーや社会貢献活動の精神に鑑み、より良い社会を目指す若者の活動を表彰し紹介するもので、今回で7回目。問い合わせは同館へ。電話0229(23)7100。
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