2024/8/22


技巧光る絵画52点

 「第76回春光会展」が20日から、大崎市民ギャラリー・緒絶の館で開かれている。会員たちの感性と技巧が光る油彩画、水彩画が並び、訪れた人の目を引き付けている。大崎タイムスなど後援。25日まで。同会は1947(昭和22)年、「七人の侍」と呼ばれた旧古川市の絵描きが集まり結成した県内最古の洋画団体。芸術論を戦わせながら画技の研さんを積み、70年を超す歴史を紡いできた。現在の会員は27人。各種絵画展の前に月1~2回、研究会を開催。各自が出展する作品を持ち寄って小山田光太郎会長や会員のアドバイスを受け、作品に磨きをかけている。同展は年1回の定例美術展。今回は52点を展示した。四季折々の風景、人物、異国の街並み、工場地帯やネオン街などテーマはさまざま。絵画展で入賞、入選した作品もある。

極わせ「五百川」稲刈り

 主力品種と比べ2週間ほど早く収穫できるイネの極わせ種「五百川」の稲刈りが20日、大崎市三本木伊賀のほ場であった。古川農協管内ではことし初の収穫で、早ければ来月上旬にも県内外の販売店に流通するという。初収穫を迎えたのは地元生産者、齊藤作郎さん(70)の田約50アール。ことしはひとめぼれやササニシキ、だて正夢など計8種を21ヘクタールで栽培していて、10月半ばにかけて刈り取ることにしている。五百川は5月3日、計1・5ヘクタールに作付けした。高気温に恵まれて生育は平年より早く、猛暑だった昨年並みだった。高温障害が懸念されたが、日夜の気温差が大きく、品質への影響は少ないとみられるという。

流れる明かり見送る

 灯籠を堀に流して先祖の霊を弔う「灯ろうまつり」が20日、大崎市鹿島台竹谷の竹谷大江堀で行われた。住民たちが手作りの灯籠を堀に浮かべて見送り、先人のほか、地域の暮らしを支えている堀に感謝した。大江堀(幅2メートル、流路延長約1キロ)は約400年前から農業用水や生活用水、防火用水として住民の暮らしを支え、住民同士が自然と顔を合わせる場だった。水路ぶたのない開水路は県内でも少なく、住民が定期的な清掃や花壇植栽を通して環境美化を図っている。祭りは46年前に始まり、44回目を迎えた。地元の竹谷行政区(130世帯約350人)などでつくる実行委員会が主催。住民たちが、昨年より30基多い120基の流し灯籠を木枠や発泡スチロールで作った。この日は堀沿いに設けられたたくさんの竹灯籠に火がともされ、幻想的な雰囲気を演出。僧の読経に続き、灯籠が1基ずつ水面に浮かべられ、穏やかな水の流れに沿ってゆっくりと流れてゆく明かりを住民たちが見送った。

 

記録的大雨 爪痕癒えず

 記録的大雨で被害甚大な山形県酒田市への行政支援で大崎市から派遣された職員6人が帰任し20日、伊藤康志市長に活動内容と被災地の状況を報告した。大規模自然災害の対応経験が乏しい酒田市側の要請に応じて、防災安全課、税務課、納税課、建設課用地対策室の精鋭が2班(今月7~10日、13~16日)に分かれて現場入り。支援ニーズ把握のための情報収集と、河川氾濫で広範囲な浸水被害が生じた八幡地区を中心とする家屋の被災認定調査に取り組んだ。帰任報告では「新型コロナが流行する避難所での集団生活」や「親類宅の間借り」を余儀なくされながら「ボランティアの手を借りて家屋から土砂撤去や清掃作業に追われる」被災者の様子を生々しく説明。泥まみれの家々や田畑、土砂崩れで通行止めの道路、山積みにされた災害ごみなど被災地写真も示した。派遣職員を代表し、大崎消防本部から出向の渡邊圭防災安全課主査(41)が「行政としては被害の全容把握と罹災証明書発行、被災者に対する市営住宅提供を早期に進めることが重要」とまとめた。

 

親子ら夏休み終盤満喫

 夏休みも終盤を迎えた18日、加美町宮崎のふるさと陶芸館・切込焼記念館で、「特別料金で楽しむ陶芸体験会」と同町産の化石や鉱物に触れられる「夏休みもハンズオン!」が開かれた。多くの親子連れらが陶磁器「切込焼」発祥の地で、陶芸文化などに親しんだ。切込焼は、江戸時代後期から明治時代初期ごろまで、同町の切込地区を中心に生産されていた。白地に藍色で模様が描かれた染付が特徴で、仙台藩の御用窯として上質な製品を作る一方、庶民向けの日用雑器も生産していた。町振興公社が主催する「特別料金で楽しむ陶芸体験会」は、税込み通常料金1500円を1000円で楽しめる1日限りの企画。4年ほど前から大型連休と夏休み終盤に実施しており、毎回、県内各地から多くの親連れなどが訪れている。この日は、午前と午後の部合わせて24人が参加。講師の同公社職員から説明を受けた後、早速、作品作りに挑戦した。「古信楽土」と呼ばれる粘土の感触を楽しみながら、手回しろくろを使ってコーヒーカップやフリーカップ、皿など各自作りたい器を形成。ろくろの上で土の形がどんどん変化する様子に参加者たちは感嘆の声を上げ、陶芸の奥深さを味わっていた。体験イベント「夏休みもハンズオン!」は、ことしの大型連休に続く第2弾。会場には同町から発掘された生物や貝の化石、鉱物などが並んだ。展示されたのは、同町宮崎地区から発見された巨大ザメ「メガロドン」の歯や二枚貝「マツモリツキヒ」の化石、銅と鉄、硫黄からなる「黄銅鉱」、長さ9㌢ほどもあるヒスイ、切込焼の原料となる陶石など約30点。訪れた親子らは、化石や鉱物に触れて感触を確かめたり、顕微鏡で観察したりして興味津々の様子。

 

おばけ部屋にお菓子釣り

 大崎市古川穂波の大崎生涯学習センター・パレットおおさきで18日、恒例の「パレット夏まつり」が開かれた。多くの家族連れがおばけ部屋や映画会、科学実験、お菓子釣りなどで夏休みの思い出を作った。各フロアにさまざまなアトラクションが用意された。「びっくり!おばけ部屋」では、恐怖のあまり泣き出す児童も。古川黎明中自然科学部の科学実験教室では、プログラミングや化学反応などを体験した。視聴覚室の「おもちゃ病院ドレミ」では、仙台市で活動するおもちゃドクター4人から、壊れたおもちゃなどを修理を受けた。にぎやかな他の場所とは打って変わって、子どもたちは分解され〝診察〟を受けるお気に入りのおもちゃを心配そうに見つめていた。