2024/8/29


開幕に向け荷ほどき

 第69回全国こけし祭り(31日~9月1日、大崎市鳴子温泉)の開幕を控え、伝統こけしのコンクール出品作をはじめ全国から寄せられたこけしの荷ほどきが26日、市鳴子公民館で行われた。こけしは同日までに約2000本が届き、工人が中心となって作業に当たった。全国こけし祭りコンクールに出品されるのは、東北地方11系統と中ノ沢こけし(福島県)の工人が1年間に制作した276点(同日現在)。こけし研究家ら審査委員9人が審査し、入賞は30日に発表される。この日は市職員や工人ら約10人がこけしを1本ずつ丁寧に箱から取り出し、系統、寸法、作者を確認して番号シールを貼付。審査用のほか、神社奉納用、即売用のこけし、会場で人気投票と予約販売を行う小寸こけしもそれぞれテーブルに並べた。実行委の大沼秀顯委員長は「ことしも数多くの力作が集まった。ぜひ会場に足を運び、工人それぞれの特徴を楽しんでほしい」と話していた。

 

「五百川」全て1等米

 本年産米の初検査が27日、県内農協グループのトップを切って古川農協の三本木農産物検査場(大崎市三本木)であった。同農協(佐々木浩治組合長)管内産の極わせ種「五百川」が検査され、猛暑による影響の懸念をよそに結果は全量が最高の1等米。主力品種の収穫が9月に始まるのを控え、幸先の良い滑り出しとなった。検査したのは、同市松山と三本木の農家2戸が20日から23日にかけて収穫した3・8㌧分。コメが入った袋から専用器具で一部を取り出し、同農協農産物検査員の齋藤俊之さんが水分量や大きさ、色味を測定器と目視で調べた。検査を終えた91袋には、1等米を示すスタンプが次々押されていった。齋藤さんは「ことしは雨不足や猛暑が続いて品質への影響を心配したが、日夜の気温差が大きかったことから粒の張りが良く、つやと透明感もあった。猛暑の影響はなかったとみられる」と総括した。

 

交付税実質0・3%減

 県はこのほど、国から市町村に本年度配分される普通交付税額を発表した。県全体では前年度より59・2億円(3・4%)増えて総額1780・5億円が交付される。一方で自治体の借金を国が肩代わりする事実上の普通交付税である「臨時財政対策債」が前年度から64・6億円(52・9%)減って57・4億円になり、合計額は5・4億円(0・3%)減の1837・9億円と3年連続で減少した。交付税額県内最多は仙台市で308・9億円(前年度比14・3%増)。次いで栗原市163・8億円(1・5%減)、大崎市158・8億円(3・1%減)、石巻市157・7億円(1・4%減)、登米市156・0億円(1・7%増)と続いた。

 

山形の大雨被災地支援

 大崎市社会福祉協議会は20日と27日、7月の記録的大雨で大きな被害を受けた山形県内の被災地に「ボランティアバス」を運行し、復旧作業を行った。市社協によると、発災から1カ月が過ぎたが、地域によって復旧状況に格差が生まれているといい、市社協地域福祉課の鈴木敦係長(45)は「まだまだマンパワーが必要。人手不足の地域を継続して支援していきたい」と語る。記録的大雨により、山形県内では3人が死亡し、2000棟近くの建物が被害を受けた。ボランティアバスは大崎管内の社協や大崎市職員にも呼び掛け、両日合わせて43人が参加。20日は大崎市の姉妹・友好都市となっている酒田市と遊佐町、27日は戸沢村で家屋の泥出しや家財道具の運び出し、清掃などを行った。山形県内で最も多い739棟(8月23日現在)の住宅が被害を受けた酒田市では、八幡地区にある1軒の民家で活動。土砂が屋内にまで大量に流れ込んでおり、職員たちはスコップや手押し車などを使い、泥出しに汗を流した。遊佐町では、「杉沢比山伝承館」で泥水に漬かった畳40枚を運んだ。住民の生活再建が優先のため、公共施設の同館は手つかずのままになっており、皆で協力して館外に出した。

 

「大崎耕土」学ぶバスツアー

 「大崎耕土」について学び、支援する取り組みを続けている南郷高は9月28日と12月7日、「世界農業遺産『大崎耕土』を学ぶバスツアー」を行う。これまでの学びを多くの人に伝え、持続につなげるのが狙い。参加者を募っている。9月28日は大崎市鹿島台地域と美里町南郷地域を巡る。午前9時に同校を出発し、吉田川サイフォンや明治潜穴、名鰭沼遊水池を見学するほか、希少な淡水魚シナイモツゴの保護活動(アメリカザリガニ駆除)、しそ巻き作り、稲刈りを体験する。昼食は伝統料理すっぽこ汁など。午後3時に同校で解散予定。定員15人。参加費2300円。申し込み締め切りは9月17日。12月7日は大崎市鳴子温泉中山平・鬼首地域を訪れる。午前8時40分に同校を出発し、南原穴堰の水路清掃や鬼首菜の収穫を体験し、ゆきむすび弁当を味わう。午後4時に同校で解散予定。定員20人。参加費1200円。応募締め切りは11月18日。いずれも先着順。小学生は保護者同伴。申し込みは同校ウェブサイトのほか、電話(平日午前9時から午後4時まで)で受け付けている。

 

長者原から空の旅いかが

 航空機での旅行や運送を手掛けるAirX(東京)は1日から、東北自動車道長者原サービスエリア(SA)上り線(大崎市古川川熊)を離発着点とする「ヘリコプター遊覧プラン」の販売を始めた。東日本高速道路(NEXCO東日本、東京)と連携し、9月14~16日と21~23日のシルバーウイークの午前10時~午後4時に大崎市鳴子温泉や松島など5コースを飛ぶ。

 

砂で分かる地球の歴史

 栗原市栗駒松倉の栗駒山麓ジオパークビジターセンターで10日から、企画展「砂を科学しよう」が開かれている。訪れた家族連れなどが顕微鏡で砂を観察したり、さまざまな岩石の中から砂岩を探し当てたりして地球の歴史に思いをはせている。期間は11月25日まで。身近にある砂を調べると、過去の環境や日本列島の歴史など、さまざまなことが分かることを知ってもらう狙い。砂と土の違いや、岩石が風化するなどして下流に流れ堆積する様子などがパネルで展示されている。砂岩を当てるコーナーでは、並べられたさまざまな岩石の特徴を親子が見比べていると、栗駒山麓ジオパーク推進協議会の原田拓也専門員から「岩石の中の粒がそろっているのが砂岩の特徴」と説明を受けていた。