和同開珎や仙臺通寶も
古い貨幣を集めた「昔のおかね展」が美里町郷土資料館で開かれている。新紙幣の発行を記念して企画した。1300年以上前に発行された硬貨や40年ほど前まで使われていた紙幣が並び、懐かしそうに見入る高齢者らの姿も見られる。28日まで。展示しているのは、飛鳥時代から安土桃山時代、江戸時代、戦中戦後まで幅広い年代に流通した硬貨や紙幣合わせて53点。素材も金銀銅から錫までさまざまある。紀元前に中国で流通し農具や刃物をかたどった「布幣」や「刀幣」、唐の開元通宝を参考に製造され日本で初めて流通したとされる「和同開珎」(708年~)、12世紀後半から日本国内で本格的に流通した「宋銭」などがあり、当時強勢を誇った中国の影響が読み取れる。天明の大飢饉(1782~88年)で仙台藩の財政が逼迫した際、5年間限定で鋳造、領内で流通させた地方貨幣「仙臺通寶」や、第2次世界大戦中に戦況悪化に伴う金属供出で鉄や銅が不足し、素材がアルミになり、さらに錫に替わっていった硬貨もある。
涌谷で採れた砂金使いトンボ玉作り
古川工業高化学技術科の3年生5人が8月30日、涌谷町内から採取した天然砂金を使ってガラス工芸品「トンボ玉」作りに挑戦した。生徒たちは、ものづくりを通して金について学び、地域の魅力を再発見した。制作したのは、同科の課題研究「原子番号79」班の生徒たち。原子番号79は元素名「金」。製鉄・金属製品業界では高価格な金に代わる貴金属の技術研究が進んでいることから、同班は改めて金について特徴や歴史、工芸など幅広く研究している。5月には涌谷町の「天平ろまん館」で砂金採りを体験。今回は同町のガラス工房「あとりえboss&Nonko」の後藤のり子さんを講師に迎え、金彩トンボ玉制作を行った。トンボ玉は青や黄、緑色などのガラス棒を専用のバーナーで熱して溶かし、ステンレス棒に巻き付けるようにして丸く形作ったら、細かく砕いた色とりどりのガラスの破片や金箔をくっつけ、さらにあぶる。その後、灰の中に入れて冷やし、小ガラス玉や革ひもを使ってストラップやネックレスに仕上げる。制作は同校実習室で実施。ガラス棒とステンレス棒を同じ姿勢で持ち続ける繊細な作業だけに、生徒たちの表情は真剣。腕の痛さやバーナーの熱さに耐えながら、熱心に取り組んでいた。
鹿島台の内水問題解決を
大崎市鹿島台地域内水対策連絡協議会は8月30日、内水問題の解決に向けた要望書を市に提出し、緊急排水施設や防災ため池を早期に整備するように求めた。また2日には北上川下流河川事務所に対し、吉田川の堤防拡幅や山王江機械排水路拡幅、大谷地排水路整備を要望した。同会は、2022年7月の記録的大雨で内水被害を受けた姥ケ沢と東平渡、福芦の3行政区計約1000世帯が同年10月に設立し、市と何度も協議を重ねてきた。姥ケ沢地区は低平地で、周囲の水が流入、滞留しやすく、10回にわたり床上浸水に見舞われた世帯もあるという。市に提出した要望書では①姥ケ沢地区排水路かさ上げ②巳待田調整池の貯留水を緊急排水する施設の設置と巳待田排水路ゲートのフラップゲートへの切り替え③農業用ため池3カ所(大沢、長沢、西沢)の防災ため池への整備と大雨予想時の事前減水④山王江機械排水路の堆積土砂の定期的除去⑤土水路となっている大谷地排水路と山王江排水路のコンクリート整備や西沢排水路を流れる雨水の二線堤バイパス沿い排水路への誘導-の5項目を求めた。
鳴子の音楽イベント復活
温泉街に音楽が響く「湯の街ミニコンサート」が8月24日、大崎市鳴子温泉のゆめぐり広場で開かれた。観光客らが立ち止まり、フォークやポップスなどの演奏に耳を傾けた。鳴子温泉旅館組合が、コロナ禍前まで開いていた「鳴子音楽祭」を復活させようと企画。定禅寺ストリートジャズフェスティバル(仙台市)のアンコールステージとして2008年に始まったもので、19年まで毎年、同広場やJR鳴子温泉駅など4会場で多彩な音楽を奏でていた。この日はピアノ弾き語りや親子バンドなど5組が出演。仙台を拠点に活動するビートルズカバーバンド「ビリー・ザ・ビート」は、「ロックンロール・ミュージック」や「ミスター・ムーンライト」など12曲を熱唱した。
大崎中央、小牛田農林敗退
「第18回秋季県高校野球」北部、東部地区予選は4日目の8月31日と5日目の1日、加美町陶芸の里スポーツ公園野球場や石巻市河南中央野球場などで行われた。北部地区は31日、順位決定戦と敗者復活戦合わせて3試合を実施。すでに県大会出場を決めている古川学園と古川工は順位決定戦で対戦し、古川学園が1点リードで迎えた四回、一挙4点を加えるなどして引き離し、東北学院榴ケ岡との決勝に駒を進めた。この結果、古川工は地区3位が決定した。敗者復活1回戦は、築館と3校連合(黒川・古川黎明・迫桜)がそれぞれコールド勝ちし、県大会出場を懸けて敗者復活決勝に臨む。敗れた小牛田農林と大崎中央は県大会出場が絶たれた。1日の敗者復活戦は、古川が6-2で加美農に勝利し、決勝に進んだ。
汚水処理人口普及率 大崎31位
環境省と農林水産省、国土交通省は合同で、市町村ごとの「汚水処理人口普及率」(2022年度末時点)を発表した。全国の普及率は92・9%(前年度比0・3%増)、県は93・3%(0・1%増)なのに対し、県北部11市町村のうち富谷市と大和町を除く9市町村は全国平均、県平均ともに下回った。特に涌谷町と大崎市、栗原市は80%にも届いていない。少子高齢化に伴って今後も農村部などで上がりにくい状況が続くとみられる。
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