保全活動の先進例視察
日本を代表する大手企業が加盟する「日本経団連」自然保護協議会は3、4の両日、大崎市を訪れ、ため池や居久根(いぐね)を視察したほか、これらの保全に取り組む関係機関との意見交換を通して保護活動の在り方について見識を深めた。同協議会(加盟138社)は、基金を通して日本や途上国の自然保護活動を支えている。県内では、淡水魚シナイモツゴをはじめとする絶滅危惧種の保護に取り組んでいる「シナイモツゴ郷の会」(大崎市鹿島台)などを支援した。西澤敬二会長(損害保険ジャパン顧問)ら16人が旧品井沼周辺ため池群(同市鹿島台)を視察したほか、駆除されたアメリカザリガニの塩ゆでを味わった。続いて意見交換会が市役所であり、協議会や市、東北地方環境事務所が、環境保護活動をそれぞれ紹介した。西澤会長は「生物多様性保全の取り組みが近年注目されていて、さらに加速させないといけない。企業単体では限界があり、地域住民との連携が欠かせない」と話していた。
「津軽こぎん刺し」に挑戦
2024年度県土地改良大会(県土地改良事業団体連合会主催)が5日、大崎市民会館で開かれ、県内各地の土地改良区や市町村の関係者約800人が、計画的な土地整備推進に向けて団結することを誓った。農業者の高齢化、後継者不足が進み、農地・農業施設の適正管理や営農継続が難しくなる中、農業農村整備事業の役割や重要性、方向性を再認識することなどが狙い。基調講演で、元農林水産省農村振興局長で全国水土里ネット男女共同参画推進検討業務有識者委員会の太田信介委員長が、土地改良区の目指すべき方向性について述べた。その中で農業者の高齢化を見据え▽施設・水管理の適切化▽男女共同参画推進▽営農支援強化-を訴え、女性理事の登用について「『土地改良区は良い意味で変わった』という印象を与える最良の広報」と強調した。最後に「県内の均衡ある生産基盤の計画的な整備推進に向け、『闘う土地改良』のスローガンの下、一致団結して闘い続けなければならない」とする大会宣言を拍手で採択した。
「かみ~ご」全国デビュー
加美町公認キャラクター「かみ~ご」が「月刊まんがライフオリジナル9月号」(竹書房)に掲載され、〝全国デビュー〟した。同町出身の漫画家、いがらしみきおさん(69)の癒やし系動物4こま漫画「ぼのぼの」に新たなキャラクターとして登場したもの。町では、ぼのぼのファミリーの仲間として、今後もかみ~ごが活躍することに期待が高まっている。かみ~ごは、同町の伝統行事「火伏せの虎舞」のトラをモチーフにしたゆるキャラ。町を代表する施設の一つ、中新田バッハホールにちなみ、バッハをイメージした髪型もポイントになっている。漫画誌の掲載は、石山敬貴町長の提案をいがらしさんが受けて実現。「町長とトークショーを行ったときにお願いされ、いわば町長さんと私の公約を果たしたもの」といがらしさん。作中では、かみ~ごがラッコの子ども「ぼのぼの」やアライグマくん、シマリスくんといったキャラクターたちと楽しく交流する様子が描かれている。
東大生ら循環型社会学ぶ
体験や実践を通して学問と社会のつながりを学ぶ東京大の「体験活動プログラム」で、循環型社会などをテーマにしたメニューを選んだ学生ら3人が3日、大崎市古川を訪れた。3人は大崎広域リサイクルセンター、同中央クリーンセンターを視察し、ごみ焼却時の熱を利用した発電と利活用などについて関係者から話を聞いた。訪れたのは学生(2年生)2人、大学院生1人。クリーンセンターを運営する特別目的会社(SPC)「大崎エコクリエイション」の早坂竜太取締役(古川土地社長)から、事業の概要や世界農業遺産、ラムサール条約湿地があることなど大崎の地域性について同社で講話を聞いた後、センターを訪れた。
最終処分場建設に反対
大崎地域広域行政事務組合が色麻町四竃字指浪・東原に建設を予定している一般廃棄物最終処分場整備事業について、建設予定地に近い大崎市三本木地域の行政区長27人全員が、建設に反対する連絡会を立ち上げた。のぼりを自主製作し、3日に地域内に立てた。のぼりには「最終処分場建設反対」「なぜ三本木斉田地区のとなりに建てるのか」と記載。10本作り、建設予定地近くの斉田地区の県道沿いなど10カ所に設置した。今後、署名運動や大崎地域広域行政事務組合議会議長への請願も検討しているという。熊谷英敏会長(72)は「計画の見直しを求めていきたい」と話した。
免許返納者にタクシー券
涌谷町は9月から、車の運転免許を返納した65歳以上の町民に月4000円分のタクシー券を配布する実証実験を始めた。国土交通省の実証調査に手を挙げ、来年2月までの事業費500万円全額が補助される。高齢者の免許返納を後押しする一方で買い物などでの移動の経済的負担を抑える狙いで、対象者の申請を2日から受け付けている。
栗原市長選 千葉前市長が出馬へ
任期満了に伴い来年4月20日に告示、27日に投開票される栗原市長選で、前市長の千葉健司氏(67)が6日までに、無所属で立候補する意向を固めた。12日に記者会見を開いて正式表明する。市長選への立候補表明は初めて。千葉氏は大崎タイムスの取材に「敗戦以来市内全地区を回って現在3周目だが、何もしない現在の市政に対する不満や嫌悪感が聞かれる。商工業の振興、半導体関連企業の誘致など、今が大事なときなのに、対策がなされていない」と批判。「教育・文化、子育て・若者支援、産業・まちづくり、医療・福祉の4本柱を軸に後援会と公約を練っている。記者会見で示したい」と述べた。
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