「バッハオニオン」生産強化
加美よつば農協玉葱部会はことし、加美町の音楽ホール「中新田バッハホール」にちなんだ「バッハオニオン」の直播栽培に本格的に乗り出す。13日、町内の農場で直播実演会を行い、生産者や関係者が播種機の精度や直播栽培の利点を探った。バッハオニオンは、同ホールの時報を知らせるチャイムからヒントを得て、「音楽の音色を聞きながら育ったタマネギ」として20年ほど前に開発したブランドタマネギ。新タマネギのように柔らかく、爽やかな甘さがあるのが特徴で、生でもおいしく食べられる。現在は、同部会30戸の農家が生産していて、年間の収量は約90㌧。農家のほとんどは、育てた苗を農地に移植する方法で栽培している。直播栽培は、タマネギの生産拡大と作業の省力化を目的に、ヤンマーアグリジャパン(本社・大阪市)と連携し、昨年から試験的に行ってきた。その結果、品質や量ともに良好だったため、ことしから直播栽培に本格的に取り組むことにした。
主力品種も全量1等
稲刈りが最盛期を迎えている米どころ大崎地方。加美よつば農協は13日、色麻町高城の清水倉庫で本年産米の初検査を行った。主力品種の「ひとめぼれ」と「まなむすめ」が検査され、全量が1等米に格付けされた。検査したのは、同農協管内の農家19戸が今月上旬から収穫した60・8トン。検査員28人が、生産者が持ち込んだ米袋から一部を抜き取り、粒の形や色、亀裂の有無などを目視で確認した。検査を終えた米袋には1等米のスタンプが次々と押されていった。
シバザクラ植栽3年目
住民同士の世代を超えた交流を促そうと、大崎市社会福祉協議会松山支所は、同支所が入る松山保健福祉センター(さんさん館)周りの花壇の植栽に、住民に協力してもらっている。13日は、地元松山中が参加した。世代間交流事業の一環で、福祉団体や企業、ボランティアの協力で住民同士が交流する場を設け、福祉活動に対する理解促進を図るのが狙い。雑草対策を兼ねて花壇にシバザクラを植える取り組みで、3年目を迎えた。9月は、松山高と松山中の生徒を中心に計4日間、行うことにしている。
農業で地方課題の解決を
大崎市の認定農業者が農業の未来について考える「農業担い手サミット」(大崎市認定農業者連絡協議会主催)が9日、鳴子公民館で開かれた。参加者約60人が地方課題の解決に取り組んでいる経営者の講演を聞き、農業を通じた解決法を探った。この日は市内7地域(旧1市6町)の担当者が食農講座や視察研修といった取り組み、特産品などをスライドで紹介。田んぼの雑草を抑制する自動ロボット「アイガモロボ」を開発製造しているSHONAIの山中大介社長が講演した。山中社長は、ロボットや汚泥リサイクル肥料を使った低コストで環境負荷も低い有機栽培を行うことで、少ない人数でも広い田んぼを管理でき、コメに高い付加価値が生まれると解説。「日本のコメは大きく伸展している世界の有機食品市場で勝負できる。攻める農業を鳴子から始めてみては」と呼び掛けた。
心肺蘇生やAED学ぶ
宮城労働基準協会古川支部は6日、普通救命講習会を大崎市古川の大崎建設産業会館で開いた。古川支部管内のほか、石巻地域の11事業場から参加した40人が心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)の使い方を学んだ。コロナ禍で各事業所での講習が見送られているのを踏まえて企画。救命処置の流れや、AEDが必要な場面の判断、AEDの使用法、胸骨圧迫法についてDVDで学んだ後、4班に分かれて古川消防署員から胸骨圧迫や人工呼吸、AED使用の実技を教わった。
交通死亡事故ゼロ1年
美里町は4日、交通死亡事故ゼロ1年を達成した。町外のドライバー同士による衝突事故が昨年起きたのを受け、町や関係機関がキャンペーンなどを通して運転手や歩行者の安全意識高揚を図ってきた取り組みが実を結んだ。県警本部長の「祝詞」が町に贈られ、関係者が記録更新を誓った。祝詞の伝達式が13日、町役場であり、町と一体になって交通安全に取り組んでいる遠田地区交通安全協会や遠田地区地域交通安全活動推進委員協議会、町交通安全指導隊など関係機関の7人が出席。遠田署の白瀬勲署長が相澤清一町長に祝詞を手渡した。
温泉と水素で新モデルを
次世代エネルギーをテーマにした官学合同のオープンサイエンスイベントが5、6の両日、大崎市鳴子温泉の鳴子ホテルなどで行われた。水素で発電する燃料電池の研究、開発者が知見を深め合った。燃料電池や、水を電気分解して水素を得る装置「SOEC」に関わる人の交流を深め、地域の脱炭素化やエネルギーの地産地消につなげる狙い。県次世代エネルギー室と、東北大SOFC/SOEC実装支援研究センターが開いた。県の「次世代エネルギーセミナー」で燃料電池の専門家から講座を受けたほか、温泉排熱を利用したバイナリー発電を導入している旅館すがわらを視察した。セミナーで東北大の村仁教授は、熱を加えることで電気分解にかかる電力を抑えられる研究結果を解説。燃料電池の開発メーカーも登壇し、温泉など100度以下の排熱を利用した水素製造、発電について開発が進んでいることを紹介した。
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