2024/10/12


つるし雛展

 手作りのつるし飾りや人形が涌谷町くがね創庫に展示されている。紅を基調にした華やかな飾りや、花火の下での盆踊りを再現した作品が並び、見る人を引き付けている。15日まで。出展者は、同町のサークル「遊布の会」。会員13人が月1回、同町箟岳公民館に集まって創作活動に打ち込んでいる。ちりめんや絹物といった古布を原料に一針ずつ手で縫い上げ、ぬくもりある作品を生み出している。今回は500点余りを展示。幅2㍍、奥行き3㍍の枠組みの天井から垂らしたのは、1本のひもに40~50点の人形をつるした飾り。鮮やかな色合いの古布で表現した花火や、やぐらを囲んで数十体の人形が盆踊りを踊る夏の一夜を表現した作品もある。

 

地域の危険箇所確認

 涌谷町涌谷中の1、3年生合わせて約200人が8日、自分たちが暮らす地域の水害危険箇所を巡り、水害や地震への対応や心構えについて住民から学んだ。地元での防災活動に対する関わり方について考えてもらおうと、行政区別に10年ほど前から行っている取り組み。3年生を対象に始めたが、5年ほど前からは1年生を加え、上級生から下級生への伝承も図っている。この日は16カ所で実施。江合川沿い4行政区に住む生徒17人は新丁頭ふれあいセンターと近くの堤防で、行政区長と民生委員児童委員計6人の話を聞いた。2の2区の吉目木克彦区長(72)は、昭和25年8月洪水(1950年)で江合川が地元3カ所で決壊したことや、関東・東北豪雨(2015年)で漏水しそうになったことに触れ、「昔の人が水害を体験した場に皆さんが住んでいる。防災への取り組みを考えてほしい」と訴えた。

 

情報技術活用し学習

 加美農業高と国立研究開発法人情報通信研究機構ネットワーク研究所レジリエントICT研究センターは7日、情報通信技術の農業分野での利活用研究協力に関する覚書を取り合わし、同校で締結式を行った。情報通信ネットワークを活用した指導、農業生産現場でのデータ収集などで連携を進める。同校と同センターは2020年度から情報通信技術を活用した学習、指導などについて実証研究に取り組んできており、今回、覚書を交わして協力関係を確認することにした。同校はこれまで、オンラインで画像をやりとりし、生徒が中学生に遠隔で園芸指導をしたり、草花ハウス内の温度や画像データを蓄積して管理に活用したりしてきた。締結式では川上校長、井上センター長が覚書に調印。また牛舎に設置されたカメラを通し、夜中に行われた牛の出産をネットで見学した鈴木亜紀奈さん(2年)が感想を発表し、「命の大切さや、分娩に関わった先生の取り組みに感動した」と述べた。

 

コロナ大崎で県内最多

 県は10日、第40週(9月30日~10月6日)の感染症発生動向調査週報(速報)を発表した。大崎保健所管内の定点医療機関10カ所では、新型コロナウイルスで80人の感染が報告された。前の週からほぼ横ばいだが、ほかの地域では減少傾向で、1定点医療機関当たりでは2週ぶりに県内で最も多かった。圏域ごとの定点医療機関で診断された新型コロナ感染者報告数は▽大崎80人(1定点医療機関当たり8人)▽石巻78人(同7・8人)▽仙南51人(同7・29人)▽塩釜79人(同4・94人)▽気仙沼19人(同4・75人)▽仙台市119人(同2・70人)。前の週から増えたのは石巻だけで、県全体では21・7%減の426人(同4・68人)だった。

 

「筆」の力で郷土愛育む

 大崎市内の小中学生が毛筆で競う「市民憲章書道コンクール」表彰式が8日、市役所であり、最優秀賞の青沼夢奈さん(古川第二小6年)、加藤莉央夏さん(田尻中2年)ら上位入賞者をたたえた。入賞作28点の巡回展示会も企画されている。「市民憲章に込められた理念を次世代へつなぐ」(市まちづくり推進課)取り組みで、憲章の文言から単語か熟語2~4字を選んで書く決まり。10回目の本年度は計229点(小学生178点、中学生51点)応募があった。表彰式で、目黒嗣樹副市長は「憲章に対する理解を深め、自分自身の将来の夢や、市のまちづくりへの興味関心につなげてもらえたら」と期待し、市教育委員会の熊野充利教育長は「受賞を励みに、書道に限らずいろいろな挑戦を」と述べた。青沼さんは「地域の力」、加藤さんは「奥羽山脈」の4字をそれぞれ選び、ともに同コンクール初入選で最優秀賞受賞。

 

全校でボランティア

 大崎市鹿島台中は7日、学校周辺で「全校一斉奉仕作業」を行った。1学期の締めくくりとなる活動で、生徒たちは駅や神社、高齢者宅などで清掃や草取りに汗を流し、ボランティアの大切さを学んだ。大崎市社会福祉協議会と合同で、2022年度から毎年実施。ことしは鹿島台駅、鹿島台神社、グループホーム、高齢者宅の計7カ所で作業した。高齢者宅は、住民による庭の維持管理が難しくなった3世帯を市社協が選定。このうち学校から徒歩10分ほどの場所にある佐藤富治子さん(89)宅には生徒40人が訪れ、社協職員や民生児童委員の指示を受けながら、荒れ放題となった庭の手入れに取り組んだ。生徒たちは飛び出してきた虫に驚いたり、ドクダミの臭いに顔をしかめたりしながらも次々と雑草やつる植物を引き抜き、枝は剪定。約2時間の作業でごみ袋100袋ほどの雑草や枝葉が集まった。