2024/11/23


特殊な埋葬の墓発見

 縄文期早期から弥生期前期の遺跡「北小松遺跡」(大崎市田尻小松)について県は21日、発掘調査の報道機関向け説明会を現地で開いた。10月から約1カ月間の調査の結果、特殊な手法で埋葬された人の墓の跡が少なくとも2基見つかり、縄文期晩期(2400~3000年前)の大崎地方で営まれた拠点的な集落として重要な遺跡であることが改めて分かったという。23日に一般向け説明会を開く。北小松遺跡は、大崎平野北側の清滝丘陵裾部から低地部(標高約13・4~49・7㍍)にかけて広がる集落跡。1953(昭和28)年に発見され、57年の開田工事では泥炭層や貝層から縄文土器や石器、人骨、淡水産貝類が見つかった。県と市の教育委員会は、ほ場整備に伴い2001年度から関係遺跡の発掘調査を進めている。今回の調査は、居住域を含む遺跡の全容解明を狙いに10月23日から行った。見つかった墓は、縄文期終わりごろから弥生期少し前に遺物包含層を掘って作られた。遺体が膝を曲げた状態で納められ、内側に赤い顔料を塗った土器を逆さにかぶせられたとみられるという。

 

「四季島」本年度ラストラン

 JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」は21日、本年度分の運行を終えた。陸羽東線乗り入れの鳴子温泉駅(大崎市鳴子温泉)では同日朝、最終来訪記念セレモニーがあり、地元住民らが終点・上野駅(東京都台東区)へ旅立つ列車を盛大に見送った。セレモニーは市と観光団体などでつくる実行委員会が主催。「四季島」が同駅に立ち寄るたび、ブランド米「ささ結(むすび)」のおむすびを振る舞ったり、入浴剤を配布したりと心身温まる〝おもてなし〟を乗客に提供してきた。鳴子音頭の披露、岩出山武将隊伊達者による寸劇など、ホームは活気でいっぱいに。午前9時半過ぎ、出発を告げるハンドベルの音色とともに列車がゆっくり動き出すと、「良い旅を」「また大崎市に来てね」の声も飛んだ。

 

新型コロナ10週ぶり増

 県は21日、第46週(11~17日)の感染症発生動向調査週報(速報)を発表した。大崎保健所管内の定点医療機関10カ所では、新型コロナウイルスで34人の感染が報告された。県全体は238人で前の週から38・4%増加。9月に入ってから減少が続いていたが、10週ぶりに増加に転じた。圏域ごとの定点医療機関で診断された新型コロナ感染者報告数は▽気仙沼15人(1定点医療機関当たり3・75人)▽石巻37人(同3・7人)▽塩釜58人(同3・63人)▽仙南24人(同3・43人)▽大崎34人(同3・4人)▽仙台市70人(同1・59人)。6圏域全て前の週を上回った。

 

金融経済の基礎学ぶ

 県や東北財務局、県内金融機関などでつくる「県金融広報委員会」は13日、金融経済教育協議会を鹿島台商業高で開いた。研究校に指定された同校の教員3人が、2年間にわたる金融経済教育の研究成果を発表した。同校の生徒たちは、授業や外部講師によるセミナーを通じ人生設計、資産運用といった金融経済の基礎を学習。地域内外の企業や団体と連携し、県産鶏肉とそれを原料とする新メニューのPR動画制作、販売実習、鹿島台地域の見どころガイドなどにも取り組んだ。この日、教諭3人が「生徒の苦手意識克服やコミュニケーション能力向上を意識して取り組みを進めた」「金融に関する学びや職業理解を深めることができたと思う」などと取り組みの重点項目や成果を述べた。

 

地元の地熱発電所見学

 大崎市鬼首小(児童数12人)の児童9人は12日、同市鳴子温泉鬼首の電源開発鬼首地熱発電所を見学した。こけし柄のタービンや遠隔保守用ロボットを間近で見ながら、地元のエネルギーで電気をつくる取り組みに興味を示していた。本年度末で閉校する同校の児童に施設や地熱発電について知ってもらおうと、同発電所が招待。見学に先立ち、「鬼首」にちなんで子どもたちに発電所に飾る鬼の絵を描いてもらい、ロボットの名前も募集するなど交流を深めてきた。同発電所が昨年4月の運転再開以来、一般見学者を招くのは初めて。児童たちは中富仁所長から地熱発電の仕組みについて教えてもらった後、自分たちが名付け親になった犬型の遠隔保守用ロボット「おにっぴー」に案内され、施設を見学。鳴子こけしの柄があしらわれたタービンや、熱水を地中へ戻す設備が水蒸気をもうもうと吐き出す様子も真剣な表情で見入っていた。

 

地域の魅力再発見

 大崎フォトクラブの写真展が、大崎市民ギャラリー・緒絶の館で開かれている。大崎地方の風景などを撮影した作品が展示されていて、訪れた人たちは地域の隠れた魅力を再発見していた。25日まで。同展は、大崎地方の魅力を発見し伝えようと始まり、ことしが27回目。会員14人がことし撮影した作品を中心に、70点を紹介している。作品はいずれも四つ切りワイドの大きさ。田園フェスティバルなど祭りに参加した人たちの表情、赤や黄色に色づいた里山の風景のほか、JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」を写したものや、口移しで餌をやるサギの親子を捉えた写真もあり、訪れた人が見入っていた。

 

中国の高校生と交流

 中国・吉林省の高校生が14日、日中友好会館が取り組む日中植林・植樹国際連帯事業で栗原市の迫桜高を訪れ、日本人生徒とプレゼントを交換したり、授業に参加したりして交流を深めた。来日したのは、吉林省実験中学校、長春外国語学校の高校1~2年生に当たる生徒27人を含む総勢32人。迫桜高で行われた歓迎・交流会で目黒幸治校長から「皆さんを心待ちにしていた。知らない世界を体験するのは、人間性の向上につながる」と歓迎を受けた。付俊超団長は「日本の教育を理解し、友情が生まれることを期待したい」と述べた。

 

晩秋の田園で健脚競う

 第10回栗原ハーフマラソン大会(栗原市など主催)が10日、栗原市若柳中前を発着する日本陸上競技連盟公認コース(ハーフ、10㌔)で行われた。県内を中心に北海道から大阪府まで1031人が参加。晩秋の田園コースで健脚を競った。ハーフや親子ペアの2㌔など21部門が行われた。選手たちは頂上付近が雪で白くなった栗駒山を仰ぎ見ながら、刈り取りの終わった水田が広がるコースを走り抜け、沿道から市民や家族らの声援を受けていた。