2024/12/19


荒川堰絵図を一般公開

 大崎市の文化財に新たに指定された「荒川堰絵図及び絵図箱」が14、15の両日、市民ギャラリー・緒絶の館で一般公開され、多くの市民らが見学した。絵図に描かれた荒川堰は江戸時代初期、新田開発のため仙台藩の役人が設計し建設。志田、黒川、加美3郡の入会用水で、水路は平堀約34㍍。18カ所の樋口から配水し、3郡12村の田畑を潤していた。絵図は、荒川堰が設置された約200年後の1858(安政5)年、当時の村長や農業用施設などに関わっていた人が責任者として携わり作成。大きさは幅約50㌢、長さ約18㍍にも及ぶ。一般公開では各日2回、市文化財課職員が原寸大のレプリカをもとに解読した内容を説明。川筋に沿いながら細密に描かれた山や沢、道路、橋、寺社などの配置や名称、地図にある場所と現在地を比較するなどして解説。市民らは熱心に聞き入り、メモをとったり質問したりしていた。

 

みやぎ地域対抗駅伝 チーム大崎Aが優勝

 「第10回みやぎ地域対抗駅伝競走大会」(あぶくまACなど主催)が8日、角田市陸上競技場や周辺道路の8区間33・3㌔のコースで行われ、大崎市のチーム大崎Aが1時間48分56秒で初優勝した。チームは、同じ地域在住または出身の中学生から社会人までの男女混合で編成。ことしは25チームが出場し、県北部からは地域混合の育成チーム1チームを含む6チームが挑み、たすきをつないだ。チーム大崎Aは、1区では中間の集団だったが、2区から徐々に順位を上げ、4区で3位、5区で2位に付けると、6区の日野大雅選手(古川東中1年)がトップに立った。7区で2位に後退したものの、8区の萩川晄選手(東北学院大3年)がトップを奪い返し、そのままゴールした。日野選手と萩川選手は区間賞を受賞した。チーム大崎A、チーム大崎B両チームのコーチを務めた古川工業高陸上競技部の齋康浩監督が11日、大崎タイムス社を訪れて優勝を報告。

 

宿泊税導入に懸念の声

 県は来秋の課税開始を目指す「宿泊税」について、宿泊事業者を対象に説明会と意見交換会を18日にかけ県内7カ所で開いた。13日は大崎市鳴子公民館で開催し、出席者16人からは導入時期や宿泊客からのクレームを懸念する声が相次いだ。説明会は、9月県議会で宿泊税条例案が可決された際、県民や宿泊事業者に十分な情報提供と意見聴取を行うことを求める付帯意見が付されたことなどを受けて開催。出席者からは「紅葉シーズンに伴う宿泊客増で忙しい時期に課税が始まると、記入漏れや課税漏れが多発する恐れがある」「観光施策のための課税なのにビジネス客からも徴収するのはおかしい」「客はあくまで宿泊料が上がったという認識のためクレームにつながる。現場の負担が大きいことを理解してほしい」などの意見が上がった。次回の説明会は来年2月に開き、徴収手続きなどについて説明する予定。

 

高齢者にあったかお手紙

 見守りが必要なお年寄りを元気付けようと、大崎市岩出山地域の児童生徒がしたためた絵手紙がこのほど、地域の民生委員に託された。小中学生が参加する取り組みに、ことしは高校生も初めて参加。年末にかけ、対象者宅へ配られる。大崎市社会福祉協議会岩出山支所と岩出山地区民生委員児童委員協議会が2020年から行っている「あったか絵手紙交流事業」の一環。5年目の今回は、岩出山中全生徒172人と岩出山小の3~6年生219人のほか、岩出山高の3年生28人にも絵手紙の作成を依頼した。

 

トランペットで母娘共演も

 古川学園中高吹奏楽部を母体にした吹奏楽クラブ「Wind ensemble(ウインドアンサンブル)そよかぜ」が出演する「クリスマス・コンサート」(22日、大崎市岩出山文化会館)に向け、小中学生メンバーらが練習に励んでいる。同校出身の母親とその娘による〝親子共演〟の演出もある。同クラブは、大崎市や近隣自治体の小中学生20人が在籍。同校吹奏楽部は毎年夏、小学生の楽器体験ワークショップを行っていて、定期的に練習を希望する児童を対象にクラブを結成。学校の部活動以外で練習を望む中学生も参加可能とし、毎月2~3回、同校に集まり腕を磨いている。共演する親子は、同クラブで指導する秋月恵子さん(43)と長女の結愛さん(古川中3年)。恵子さんは八巻教諭の教え子で、高校時代はトランペットを担当。クラブとコンサートのため20年ほどぶりに楽器を鳴らしたといい、「ステージに立つのも20年ほどぶり。今からわくわくしている。娘と共演する機会をいただき、八巻先生に感謝している」と語っていた。古川中吹奏楽部を引退したばかりの結愛さんも、母親と同じトランペットを担当。恵子さんから譲り受けた楽器を使用しており、本番では高校生と一緒に演奏する場面もある。結愛さんは「お客さまに楽しんでもらえるステージにしたい」と、親子で奏でるトランペットの音色を会場いっぱいに響かせるつもりだ。

 

デフリンピック金メダリストが講演

 デフリンピック陸上100㍍金メダリストで仙台大職員、佐々木琢磨さん(31)の講演会が5日、迫桜高(目黒幸治校長)で開かれた。佐々木さんは「耳の聞こえる人、聞こえない人も平等」と、障害の有無に関係なく助け合う関係の大切さを訴えた。佐々木さんは青森県出身、仙台大卒。1歳から難聴で、八戸ろう学校中学部で陸上を始めた。2022年、ブラジルで行われたデフリンピックで、日本人初の100㍍優勝を成し遂げた。