2025/1/5


比較的穏やかな年明け

 大崎地方は、比較的穏やかに2025年の元日を迎えた。古川郵便局では同日朝、年賀状配達の出発式が行われ、配達員が新年のあいさつを届けに市内に出発していった。また大崎市古川の中心商店街では2日から初売りが行われ、各商店ではさまざまな景品を用意して来客を出迎え、巳年の商売をスタートさせた。

 年賀状の配達が1日、全国の郵便局で一斉に始まった。古川郵便局では同日朝に出発式を行い、バイク55台がすがすがしい陽光を受けながら、大崎市古川地域の家庭や事業所などへ配達に向かった。元日朝の古川は一部で路面凍結があったが、天気は晴れで穏やかな新年の始まりを迎えた。佐藤哲也局長は「年賀状は日本の伝統文化。心待ちにしているお客さまが数多くいる」と語り、「交通事故やけがに十分注意しながら、確実、丁寧に届けてもらいたい」と配達員に呼び掛けた。全員で安全スローガンを唱和し、集配営業部長が出発を号令。入社3年目の中舘晟さん(20)を先頭に街中へ繰り出した。

 大崎地方では、大型店が元日から営業を行ったほか、大崎市古川の中心商店街は初売りを2日から行い、福袋を販売したり景品を贈ったりして新年を祝った。古川十日町の老舗茶店「茶舗 静岡屋」(望月俊一社長)は2、3の両日に初売りを実施。プレミアム付きの商品券を買い求める人が訪れ、縁起物の茶箱を受け取っていたほか、店内には茶やのり、菓子などを詰め合わせた「福茶箱」も並んだ。近くから訪れたという女性(80)は「茶箱はコメの保管に使いたい。ことしは家族が健康で過ごせることが何よりの願い」と語っていた。

「ささ王」出品米240㌔寄贈

 大崎市と古川農協などでつくる「大崎の米『ささ結』ブランドコンソーシアム」は昨年12月23日、食味コンテスト「ササニシキ系『ささ王』決定戦」の出品米約240㌔を、困窮家庭対象の食料支援に取り組む2団体へ寄贈した。「決定戦」(最終審査会11月22日、県古川農業試験場)に向けて生産者が育てた入魂のササニシキとささ結(むすび)で、いずれも玄米。市内に活動拠点を置く「大崎こども食堂の会」と、富谷市のNPO法人「ふうどばんく東北AGAIN(あがいん)」を相手先に選び、市役所で贈呈式を開いた。

2年ぶりの日本一狙う

 「ジャパネット杯春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高校選手権大会(日本バレーボール協会など主催)が5日、東京体育館で開幕する。古川学園は前回、3回戦で大阪の金蘭会に敗れ2連覇を逃した。20年連続で全国への切符を手にした県女王は雪辱を果たそうと、2年ぶりのセンターコートを目指す。チームの主軸は、インターハイ、国民スポーツ大会とキャリアを積んだ1、2年生が占める。1年の注目選手は、U16、U17と中高続けて日本代表に選ばれ、国内外の試合で最多得点をたたき出しているアウトサイドヒッター工藤光莉。後方で相手のウイニングショットを拾い上げるリベロ熊谷杏奈もチームを精神的に鼓舞する。岡崎典生監督は「日本一を取れる力は十分ある。あとは『勝ちたい』という執念の勝負」と話す。

 

70歳まで就業確保38%余

 宮城労働局は昨年12月26日、県内で雇用されている高齢者の状況を同6月1日現在でまとめ公表した。それによると、65歳までの継続雇用制度または定年引き上げを実施済みの企業は全体の99・9%に上り、全国平均と同じだった。70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は38%余りで、全国平均の31・9%を上回った。県内に主な事業所がある従業員21人以上の企業3748社からの報告をまとめた。内訳は中小企業(従業員21~300人)3536社、大企業(同301人以上)212社だった。70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は38・4%で、前年を同3・1㌽上回った。企業の規模別では中小企業が39%(同3㌽上昇)、大企業は27・8%(同4・4㌽上昇)だった。

 

91歳 熟練の技光る

 高さが約2㍍ある伝統的な作りの門松が、大崎市岩出山の「あ・ら・伊達な道の駅」中央入り口と日東電工東北事業所正門にそれぞれ一対設置され、訪れた人たちの目を引いている。門松を製作したのは、岩出山鵙目で農業・造園業を営む鹿野孝さん(91)。両社から依頼を受け、約20年前から毎年、家族の協力を受けて設置している。竹をはじめ、土台を囲うわら、飾り付けに使うマツ、ナンテンといった材料は地元の友人、知人から譲り受けたり、持ち主の許可を得て山から調達したりしている。作り方にもこだわりがあり、若いころに教わった伝統的作法を守る。1基の門松に使う直径10~12㌢の竹は、長さ約6㍍のモウソウチクから切り分け、切り口は節の部分が笑顔に見えるよう気を遣う。わらに巻くイグサの縄は七五三にちなみ、下から7周、5周、3周させ締めている。