2025/3/14


大曲浜に泳ぐこいのぼり

 東日本大震災の発生から丸14年を迎えた11日、津波被災地の東松島市大曲浜に200匹余りのこいのぼりが掲げられた。犠牲になった子どもたちに向けて寄付を呼び掛けたところ、全国から寄せられた232匹で、美里町の有志がつないだ縁。同町の創作和太鼓「駒の会」など2団体、約30人が鎮魂の祈りをばちに込めて演奏した。演奏者の中には、地元出身の伊藤健人さん(31)=同市職員=の姿もあった。伊藤さんは一家7人のうち母と弟、祖父母を津波で一度に失った。がれきの中から家族を捜すうち見つかったのが青いこいのぼり。13歳下の弟、律君(享年5)のお気に入りの子ゴイだった。こうした経緯を知った美里町の邦楽制作会社「3D-ファクトリー」がプロジェクトを立ち上げて全国にこいのぼりの提供を呼び掛け、2012年から現地に掲げている。その後、同社元役員の千葉秀さん(59)=同町=が引き継いだ。

 

技能者の道へ第一歩

 県立大崎高等技術専門校(大崎市古川米倉)の修了式が12日、同校であり、電気および木造建築の技能者となる職業訓練を受けた14人が修了証書を受け取った。同校は電気科(訓練期間1年)、木の家づくり科(同2年)の2科を置き、電気工事士、建築大工として就職、転職を希望する人へ技術指導を行っている。2階建ての現代建築に電気配線を施す模擬家屋など、現場を想定した実習が多いのも特徴。本年度の修了生は電気科9人、木の家づくり科5人。式では横谷光俊校長が一人一人に修了証書を手渡し、技能照査合格証、第二種電気工事士免状といった資格証書や免許状も交付した。

 

災害時に助かるために

 防災について学ぶワークショップが11日、大崎市古川第五小であった。4年生130人が、大規模災害時に助かるために日頃からできることを学習したり防災食作りを体験したりした。防災に社会人キャリア教育を組み合わせた県内唯一の取り組み。教育活動支援に取り組んでいる「まなびのたねネットワーク」(仙台市、伊勢みゆき代表理事)が県の委託を受けて開いている。この日は5年間の事業の最後となった。市協働活動コーディネーターの波多野ゆかさんと同校学区のボランティア5人の協力で実施した。伊勢さんは自助と共助、公助の違いに触れ、「災害はいつ起きるか分からない。発災後の72時間を生き抜くためには知識と判断力、行動力が必要。日頃から身につけ、災害時に自分で判断して動いてほしい」と強調した。

 

副市長に村田氏選任

 大崎市議会2月定例会は12日、31日付で退任する目黒嗣樹副市長(47)の後任に、関東地方整備局荒川上流河川事務所長の村田啓之氏(46)を選任する人事案に同意した。村田氏は神奈川県生まれで東大大学院工学研究科修了、2003年4月国土交通省入省。水管理・国土保全局防災課防災政策調整官、東北地方整備局企画部企画調整官などを経て23年7月から現職。任期4年。同省出身の副市長は6人目となる。

 

空手大会で小学生活躍

 加美町の日本空手協会加美支部に所属する小学生2人が「日本生命杯第4回全日本少年少女空手道選抜大会」(2月、横浜市)で上位入賞を果たした。このほか、「船越義珍杯第16回少年・少女世界空手道選手権大会」(昨年10月、群馬県)でも小中学生2人が3位に入った。小学生空手の最高峰とされる選抜大会では、小学1年形で菅原智陽君(7)=中新田小=が準優勝し、同2年組手で橋一瑳君(8)=古川第一小=が5位に入った。東北代表で出場した智陽君は、第1、第2ラウンドを1位で突破。決勝は僅差で敗れ、優勝を逃した。「決勝は緊張した。2年生では夏の選手権と選抜で優勝することが目標」と語る。

 

大崎市図書館の蔵書充実に

 大崎市図書館の蔵書充実に活用してもらおうと、佐藤病院(同市古川中里)は10日、100万円を市に寄付した。旧古川市時代の1977年から続けており、寄付総額は今回含め4680万円に上る。市図書館によると、これまで同病院からの浄財で購入した資料点数は6808点(9日現在)。学術的に価値の高い専門書をはじめ、高齢者も読みやすい大活字本、児童向けの絵本や図鑑、視聴覚資料など幅広く、一般市民にもおなじみ。DVDを上映する「図書館映画会」も好評という。