環境省は14日、民間や企業、自治体の手で生物多様性が保全されている区域を示す「自然共生サイト」に、沢田上地区の居久根と周辺水田(大崎市古川)を認定した。旧品井沼周辺ため池群(同市鹿島台)に続き市内2カ所目。「居久根」の名で伝統的屋敷林をサイト認定するのは初めて。市世界農業遺産未来戦略室によると、同地区に現存する居久根は23戸分。藩政時代以来300年余り、古い家では12代に及ぶ〝居久根と共に生きる〟営みと地域ぐるみの保全活動、周辺水田に息づく豊かな生物多様性が認定の決め手という。認定区域面積は61㌶。広大な水田地帯に緑の居久根が点在する姿は、世界農業遺産「大崎耕土」の象徴的景観としておなじみだ。旧制第二高では論文の書き方を学んだほか、米国人宣教師アニー・ブゼルのバイブルクラスに入会し、後に政治家となる内ヶ崎作三郎や小山東助らと交流を深めた。永澤理事によると、この出会いが大正デモクラシーの立役者となる人生指針を定めたという。