2024/5/8


小牛田空襲の証言も

 原爆被害の恐ろしさを伝える写真や、終戦直前の1945(昭和20)年8月にあった「小牛田空襲」の証言を集めた「遠田平和展」が美里町総合案内所(JR小牛田駅構内)で開かれている。戦後79年を控え、平和の尊さを訴えている。31日まで。戦争の愚かさや平和の尊さについて考えてもらおうと、遠田地区護憲平和センター(沖田捷夫理事長)が主催。原爆投下後の広島、長崎の惨状を写した写真と絵のパネル30枚のほか、小牛田空襲で使われた真ちゅうの薬きょう(長さ約10㌢)2点を展示した。沖田理事長(79)はこの10年近く、戦争を体験した小牛田地域の住民に取材を試みた。既にこの世を去った人が少なくなかったほか、コロナ禍で顔を合わせるのも難しく、「生存者の証言を記録するのは今回が最後ではないか」という思いが何度も頭をよぎったという。現在のところ集まったのは20人余りの証言。展示会ではこのうち同町素山町の元小学校長、佐々木英寿さん(92)の証言を掲げた。

 

獅子舞や神輿巡行

 加美町宮崎地区の熊野神社春季例大祭が3日、地区内で行われた。氏子たちによる伝統芸能「宮崎獅子舞」(町無形民俗文化財)や御輿巡行、児童らの舞踊行進など、地域の春の風物詩が5年ぶりに復活した。宮崎獅子舞は家内安全や無病息災、商売繁盛などを願うもので、1320(元応2)年の神社創建時から伝わると考えられている。笛と太鼓のお囃子に乗って少年2人が太刀や長刀を振って場を清め、続く2人立ちの獅子と獅子をなだめる黒い仮面を着けた「山の神」が八つの演目を演じる。「どどん」という太鼓の音と獅子の「ぱくっ」と口を開けるしぐさから、地元住民からは「どどんこぱっく」の愛称で親しまれている。晴天に恵まれたこの日は、早朝から境内で奉納演舞を披露。御輿とともに地区中心部へ移動した氏子らは、町役場宮崎支所前を皮切りに、希望する家庭の敷地や公民館などで演舞を行った。

 

日英の議院内閣制語る

 憲法記念日講演会が3日、大崎市古川の吉野作造記念館で開かれた。憲法記念日に合わせた毎年恒例の取り組みで、今回は上智大法学部の上田健介教授が「議院内閣制について日本とイギリスの異同」と題して講演。県内外から46人が参加し、真剣にメモを取りながら講演に耳を傾け、質疑応答も活発に交わされた。上田教授は「イギリスでは全て国民に見える場で議論される。日本の議員は国民に見えない活動が多い。構造的な問題があり、議会が活発でない」「イギリスは小さな選挙区から1人が選ばれるので議員が身近。日本は距離感が大きく、特に参議院の役割や特色が見えなくなっている」と指摘。

 

鵜澤が静岡国際を連覇

 第39回静岡国際陸上が3日、静岡スタジアムエコパであり、男子200㍍決勝では栗原市高清水出身、鵜澤飛羽選手(21)=築館高−筑波大4年=が20秒26で優勝した。昨年に続く連覇で、パリ五輪へ向け弾みをつけた。昼の予選第1組では1着ながら20秒54と伸び悩んだが、午後の決勝では一気にタイムを縮め、0・4㍍の向かい風にも関わらず自己ベストの20秒23に肉薄。五輪3大会連続出場中の飯塚翔太選手をはじめ後続に0秒20以上の大差をつけた。