震災の記憶伝える

東日本大震災発生から丸14年を前に、記憶の風化を防ぐ写真パネル展が3日、古川署で始まった。12日まで。大崎タイムス協賛で発災当時、本紙記者が撮影したものを中心に展示。見るも無惨な倒壊家屋、倒れた墓石が折り重なる墓地、炊き出しや給水の列に並ぶ住民たち-。「内陸最大の被災地」と呼ばれた大崎地方の惨状がよみがえる。人命救助、不明者捜索など津波被災地での警察活動を収めた県警撮影の写真も。
県内公立高校で一般入試

2025年度県公立高校の一般入試が4日、全日制68校、定時制12校で始まった。受験生たちは〝合格の春〟を目指し、全力で試験に臨んだ。古川工業高は、全日制定員計240人に対して前年比72人多い314人が受験。5学科全てで定員を超え、土木情報科の倍率は1・68倍に達した。同校は、在学中にさまざまな資格が取れることや進学、民間企業への就職、公務員など、進路の選択肢が多いことが受験者増加につながったとみている。学力検査は国語、数学、社会、英語、理科の5教科を実施。受験生たちは緊張した面持ちで教室に入って静かに待ち、試験開始の合図とともに鉛筆を取り、熱心に問題に取り組んでいた。合格発表は13日午後3時に各校で行われ、合格通知書が各中学校長宛てに郵送される。
個性あふれる絵や工芸品
「手をつなぐみんなの作品展」が1、2の両日、大崎市図書館で開かれた。福祉施設利用者などが制作した絵や工芸品など個性あふれる作品が展示され、来場者は障害者や施設の活動に理解を深めた。大崎市手をつなぐ育成会が主催し、ことしが6回目。福祉施設のほか放課後デイサービス、県立古川支援学校などから合計約300点が出展された。サクラや花火を描いた貼り絵や陶芸作品、木工品など力作ばかりで、古井戸から現れた妖怪のオブジェはひときわ来場者の目を引いていた。
命守る大切さ訴える
大崎法人会古川支部主催の講演会が2月27日、大崎市古川のアインパルラ浦島で開かれ、東日本大震災で長男を亡くした一般社団法人「健太いのちの教室」代表理事の田村隆行さん(64)が「いのちの教室〜企業防災・組織防災のあり方〜」と題し、命を守る備えの大切さを訴えた。田村さん(大崎市松山)の長男健太さんは震災当時、七十七銀行女川支店に勤務していた。地震発生後、支店長の指示で他の行員とともに近くの高台ではなく支店屋上に逃げたものの、津波に流され亡くなった。25歳だった。
インドの手紡ぎ作品展と染織教室修了生の作品展
「Tullaカディコットンと手仕事の布展」と「山里の染めと織り展」が、加美町南町のギャラリー「工藝藍學舎」で開かれている。インドの手紡ぎ作品と加美町の手織り作品が展示され、それぞれの魅力と文化を伝えている。布展は16日まで、染めと織り展は8日まで。布展の出展者は「Tulla(トゥラ)」(江崎正代代表)。10年余り前に横浜市で設立したブランドで、インドの工場と提携し、伝統的な布を現代風にデザインした商品を開発している。会場では、糸から全て手作業で作られ、織りむらや不均一な風合いが特徴の「カディコットン」、野蚕の繭を紡ぎ手織りした「タッサーシルク」、ベンガル地方に伝わるカンタ刺しゅうで制作されたワンピースやブラウス、ストールなど約150点を展示販売している。一方、染めと織り展は地元出身の染織家、笠原博司さんの指導で技術を磨いてきた「はた織伝習館」染織教室の修了生が成果を披露。サクラやウメ、ハンノキ、ザクロの実の皮などから抽出した染料で染めた糸を手織りし、紅色や若草色、山吹色といった日本の伝統色に彩られた着物など29点を展示した。
コメントをお書きください